Apple の 2012/10-12 四半期成績を見てゴニョゴニョ書く

apple-q113a アメリカ企業の季節要因の大きさを物語るグラフだ(Apple の決算は9月なので、直近の四半期2012年10月から12月は 2013-1Q と表示されているので注意)。2012年は3月末に iPad 3 が発売され、6月にはノートラインの更新(新製品、バージョンアップ)がありそれなりのヒットだったのに、トータルの売上は季節要因を覆す程ではなかったようだ。iPhone の発売時期が2年連続で10月以降だったというのが、iPhone の購入時期が 10-12 四半期に集中することで、季節要因を増幅しているかもしれない。

 このなかで、Apple のシャープへの液晶パネルの発注が前四半期より大幅に減ったことを、季節要因を抜きにして、問題視しているマスコミの低能さがよく分かる。もちろん、「予定していた数量より減った」場合は話は別だが、日経や東洋経済の記事にはこれが明確になっていないものが多い。


apple-q113-ios Apple、2013年Q1:iPhoneとiPadが共に売上新記録を達成。それぞれ4780万台と2290万台

 自分が気になるのはこちらのグラフだ。デバイスごとの売上金額がわかる。ただし、肝心の iPad mini の内訳が分からない。前年同期の1540万から2290万台へと大きく増えたが、mini がこの内どれくらいの割合を占めているかによって iPad 4 が実質 iPad 3 と比較して増減したかどうか変わってくる。Apple は否定していたが iPad mini による iPad 4 への共食いが生じたと言えるのではないか。


 ショッキングなのはこちらのパソコンシリーズの売上減少だろう。ノートシリーズの世代交代が6月で、10月の iPhone の更新のためにマカーがPCへの支出を控えたというのはありそうだが、これまで一社だけ順調に売上を伸ばしてきた Mac シリーズが需要減少に直面することになったのは、競合他社にとっても複雑なものだろう。

 この記事では、Mac ラインが複雑化してしまったことに要因を見ているが、それだけではないだろう。世界的な需要の減退によるデジタル支出金額の低下。Ultrabook ラインの熟成によるノートPCの競争激化(Macbook air の猿まねだろうが、同等のコストパフォーマンスと外観を持った windows マシンが現れたのは事実だろう)。非 Retina モデルが Retina 化されるタイミング。Retina モデルの高価格などが複雑に絡まっているのだろう。

 大きくデザインを変えた iMac が発表だけされて販売開始が遅れたのも足を引っ張ったかもしれない。新しいモデルが魅力的であればあるほど(自分にはそう思えなかったが)、発表と発売の時間が開くと売上の低下を招くからだ。

Apple、Macシリーズの問題点

本日流れてきたニュースによると、Macの売上げが前年比21%ダウンとなっているようだ。四半期比較で言っても16%落ちている。2013年Q1の販売台数は410万台ということで、これはなかなかの数字だと思う。しかしそれでも昨年からくらべてかなりの減少ということになっているわけだ。投資家がこれに直ちに反応したことはご存知の通りだ。

最近のMacシリーズが抱える問題といえば、レティナ(MacBook Pro等)とそれ以外に製品ラインが分裂していることではなかろうか。新しいMac Proの様子を見てから出ないとデスクトップは買わないと考えている人も多いし、またレティナ好きの人たちは「iMacを使う意味はなんだろう」などと考えこんでしまっている。レティナ版13インチMacBook Proの登場により、ノートタイプを考えている人には選択肢がある。しかしAirの解像度は以前のままだ。いずれも良いマシンばかりなのだが、消費者は「もっと良いものが出るのではないか」と悩んでしまってもいるようだ。

簡単に言って、現在のMacシリーズは2つに分かれているのだ。綺麗な画面のノート型と、そして拡張性はあるが低解像度のデスクトップ型だ。どちらを選ぶのかはなかなか難しい問題で、そして消費者は購入を躊躇うことになる。

aapl13q1 | TechCrunch」を全部読めば、少なくとも Apple が発表した内容(Apple フィルターがかかっているということだ)については網羅されていそうだ。「Apple Now Has $137.1 Billion In Cash, More Than HP’s Annual Revenue And Vietnam’s GDP | TechCrunch」というのを、Apple とシャープと同列に低調であると書き立てるマスコミに読んでほしい。

 後、世界的な景気停滞の影響は Apple だけを見ていては分からない。同業他社の成績や販売台数の増減の中で見ないと判定はできない。このブログではタブレット関係の数字を追ってゆきたい。

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