どっちやねん!? Kindle Fireへのユーザーの反応は

 実際に買ったわけではないし触ったことすら無いのでどの情報が正しいのかさっぱりわからない。下の記事を見ると全く正反対の反応が記載されている。面白い現象だ。同じ商品を買った全く同じ母集団なのにぜんぜん違う印象になる。

 サンプルが偏っていたのか、サンプリング方法に問題があったのか、分析を行った企業の希望的観測に沿った結果のみを編集したのか(これが一番可能性が高い)。

 ただ、「Kindle Fireユーザーの58%が、Appleがまもなく発表予定の「iPad 3」への買い替えを検討している」という返答の分析がこの記事では kindle fire に対する不満によるものとして分析しているが、この分析だけが誤りであって、一本目の記事のサンプルとなったユーザは kindle fire に対しての不満は持っていない可能性はある。

  • kindle fire の新発売と同時に買うようなデジタルオタクは iPad 3 のような新製品が出たら欲しくなる人の割合が多い。
  • kidle fire と iPad 3 とは別のカテゴリとして認識されていて、kindle fire を持っていることと iPad 3 とは無関係で、iPad 3 を欲しがる割合はこの母集団以外と大差ないのかもしれない。(他の母集団と比較しないと kindle fire を買った人が kindle fire に失望した結果 iPad 3 を欲しいと思っているかどうかは判定できない)。

否定的意見

Kindle Fireユーザーの半数以上がiPad 3への買い替えを検討中 – 電子書籍情報が満載! eBook USER

 米ITニュースサイト「Business Journal」によると、米Amazon.comが2011年11月に発売した電子書籍タブレット「Kindle Fire」のユーザーの過半数以上が、同製品に対して不満を持っている模様。

 家電価格比較ポータルサイトTechBargains.comのアンケート調査結果によるもので、Kindle Fireユーザーの58%が、Appleがまもなく発表予定の「iPad 3」への買い替えを検討しているという。記事中でTechBargains.comのユング・トラン社長は「Kindle Fire発売からまだ3カ月しか経っていないのに、このような結果が出るということは、製品自体にかなり不満を持っているのではないか」とコメントしている。

 上の調査よりは個人的な意見が書かれていて実情が分かるようだが、サンプリング数が少なすぎるし、記述型の答えに答えるような人は強い肯定の意見が集まりやすい。この調査がどのような方法かわからないが、個人名が発表されるような調査で名乗って答えをする(書く)のは、フォロワーの中でも突出したファンである可能性は高い。

 これは、今もやっているかどうか知らないが、NHKの朝のニュース番組で新商品やサービスを紹介するコーナーで実際に使っている人の声として一般人(かどうかは怪しいが)が製品の説明をするが、いいところしか言わない(いいことを言っているところしか流れない可能性のほうが高いが)のと同じだ。そのコーナーと同じ香りがする記事だから、多少割り引いたほうがいい。

 後、こんな記事で個人名が出ているからといって、本当にそんな人物がいるかどうかは全くわからない。名前を出すことで印象をリアルにする心理的効果を狙ってのことなので、割り引くほうがいい。

肯定的意見

普通の米国人が期待するのはAndroidじゃなくてKindle Fire (+D PC USER) – Yahoo!ニュース

2011年の年末商戦に合わせて、Amazonは199ドルという“戦略的価格”で「Kindle Fire」を市場に投入した。同社のWebサイトにおいて、ホリデーシーズンのベストセラーとなったKindel Fireは、「iPadの好敵手がようやく登場した」と認識されている。しかし、そこには“Android”という言葉は出てこない。Amazonのお膝元である米国シアトルから、“ごくごく普通の人々”が注目したタブレットデバイスユーザーの“現状認識”を紹介しよう。

 iPadにしてもKindle Fireにしても、IT関連の記事で登場するのは、この種の製品に強い興味を示し、豊富な知識を持つユーザーがほとんどだったりする。しかし、マーケットでより多くのボリュームに影響するユーザーはまた別にいる。ということで、ここでは、新し物好きのいわゆるガジェットオタクではない、“主婦”などの米国に住む普通の人々にiPadとKindle Fireに対する認識を聞いてみた。回答してくれたのは全員米国人で、ほとんどがシアトル在住だ(1人だけカリフォルニア州在住の女性がいた)。Kindle Fireを自分で購入したユーザー以外に、ギフトとして入手したユーザーもいる。

●コンパクトなKindle Fireは使いやすいですわよ
 ごく普通の人々は、読書、Webブラウズ、メール以外にも、ネットショッピング、ストリーミング動画の視聴、そして、ゲームといった幅広い用途でKindle Fireを利用している。電子ブックビューアに限らず、普通のタブレットデバイスと変わらない。ただ、彼らの多くが、「3G機能がない」「Kindle Fireで使えるアプリに制約がある」「なにをやるにしてもAmazonの独自ブラウザを経由しなければならない煩わしさ」などをマイナスポイントとして挙げている。とはいえ、おおむね満足しているようだ。

Kindle Fireの詳細画像:(http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1202/28/news082.html)

 「自分はiPadをメインに使っているが、夫がKindle Fireを使っている」という女性が「Kindle FireはiPadよりコンパクトでいい」というように、本体サイズにおけるKindle Fireの優位性は、今回取材に応じてくれた全員から聞かれた。長時間片手で持って読書をしたり、キッチンで使ったりする場合には、7型ワイドという液晶ディスプレイサイズがちょうどいいという。

 本体サイズについては、持ち運ぶときに小さなバッグにも容易に入るという視点も多くの女性がKindle Fireを支持する理由のようだが、意外なことに男性ユーザーからも、サイズはKindel Fireがいいという意見が聞かれた。「2キロ近くあるノートPCがモバイルPC」というように、デバイスに対するサイズの感覚が日本とだいぶ異なる米国のユーザーも、タブレットデバイスではコンパクトであることを求めるのは、興味深い。

●対決の構図は「Apple .vs. Amazon」
 米国のごく普通の人々は、どのような理由でiPadではなくKindle Fireを選んだのだろうか。

 自分でKinde Fireを購入したという女性は「購入であまり深く考えたわけではない。最初はT-Mobileのタブレットデバイスを候補にしていたが、月々のネットチャージを支払いたくなかった。また、特にアップルのファンでもないので、iPadはまったく考慮しなかった」という。Kindle Fireの決め手は「Amazonは、Kindleで素晴らしい仕事をした。そのAmazonが、Kindleに新たな機能を追加した製品を発表したと聞いて、試したかった」と語っている。その評価軸が、アップルとAmazonを同じタブレットデバイスのメーカーとして比べているのが面白い。

●流通の高い品質がメーカーとしての高い信頼に
 一方で、自分でKindle Fireを購入したのではなく、ギフトとして贈られたユーザーも少なくない。彼らに、ギフトとして入手していなかったら、Kindle FireとiPadシリーズのどちらを購入したか質問してみると、全員が、Kindle Fireを購入すると答えた。理由は、圧倒的な低価格と、使い勝手のいいサイズだ。iPadをメインで使用している女性もやはり、「iPadを持っていなかったらKindle Fireを購入するわ」と答えている。

 取材したKindle Fireユーザーに「Kindle Fireと同じ価格で、機能もほとんと同じだが、名の知られていないメーカーの製品があったら、購入を検討するか」と聞いてみると、全員が「検討しない」と考えているのも興味深い。実際に店舗に赴いて別メーカーの製品と比較してKindle Fireが最もいいと判断したユーザーもいれば、「名前が知られていない“メーカー”の製品では、それがどんなに優れた性能と機能を備えていても、おそらく購入を検討しないだろう」と答えたユーザーもいた。

 Amazonに対するこの全幅の信頼は、Kindleの成功によるところが大きい。質問に答えてくれたユーザーの何人かはKindleを所有していて、その使い勝手に非常に満足している。また、Kindleを所有していないユーザーも、所有している人から評判を聞いていい印象を持っていたという。

 オンラインショップ最大手のAmazonという企業に対する米国人の信頼度も高い。これは、ユーザーの取材をした同社お膝元のシアトルに限ったことではない。米国でインターネットが使える環境にある人で、Amazonで買い物をしたことがないという人はほとんどいないだろう。

 アクセスすればすべてがそろい、ワンストップショップとしての製品ラインアップの充実度に加え、納期、ていねいな梱包、アフターサービス、返品対応に至るまで、Amazonは抜かりがない。これらは日本で生活していると当たり前に思うが、米国では、これらがすべて完璧にできる企業というのは非常に少ない。そうなると「Amazonで扱っている商品なら安心」という意識が消費者に生まれる。

 この強力な「ていねいで確実で安心できるAmazon」のブランドイメージを背景に、衝撃的な(少なくともタブレットデバイス関連企業には)低価格で登場したKindle Fire。売れないはずがないのだ。

[登丸しのぶ/Shinobu T. Taylor,ITmedia]

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