電子書籍

 電子書籍について面白い記事があった。

ITmediaモバイル:電子書籍は、なぜ飛躍できないのか立花隆氏講演

「ΣBookにしても、LIBRIeにしても、期待されたほどは売れていない」。電子書籍業界の抱える問題点とは?

 ちょっと外してると思う。電子書籍というのは、図書館や事務所や作家の書斎で机に向って読むというものを意味してないだろう。そんな場面でなら、六法全書や判例データベースはCD版がある。リーダーはPCで十分だしそのほうが閲覧性もいいだろう。

 それに、俺に言わせるなら、そんなものをCDで配布する時代はすでに終わっている。そう、ネットワークDBを使うのが正解だろう。

 企業図書としておなじみの、第一法規出版とかの差し換えシリーズなんかも、検索ソフトとライセンスキーを渡してオンラインで検索させるようにすべきだろう。そうすれば、定期的に会社を回って差し換えする必要もなくなる。紙の印刷も郵送代も要らなくなる。ライセンス料金を平均的な差し換え金額と同等になるように設定すればいいんだし。問題は、バインダーと初版を無料サンプルとして送りつけ、返品しないと自動的に差し換えサービスに加入するという商法が使えなくなることくらい・・・って、だからダメなのか。 

 この記事で言及されていたブックリーダーが目指すのは、紙媒体の代替だ。しかし、

リビング+:紙の域に達した?電子ブックビューワーΣBook 試用中

本体のサイズは閉じた状態で幅154.5ミリ、厚さ15.4ミリ、開いた状態で幅292ミリ、厚さ12.7ミリ、重量は約520g(乾電池含まず)。駆動時間は前述したが、厳密に言うと単3形アルカリ乾電池2本で10000ページ程度の書き換えが可能とされている。よって、1日80ページ程度の閲覧で3カ月以上持つことになる。

 520gという時点で終わっていることに気づけ。

ITmedia ライフスタイル:電子書籍市場は離陸したか? Timebook Townの取り組み

 しかし真鍋副社長は「通勤電車で毎日本を読んでいる人にとっては、決して高くはない」と強調する。根拠はこうだ。

 1年に250日出勤する人が、通勤に往復2時間かかるとして、1年間の通勤時間合計は2時間×250日=500時間。本1冊を5時間で読むとすると、100冊読めることになる。1冊の平均単価を800円とすると、1年に本代として800×100=8万円かかる。これがLIBLIeなら、ハード4万円+([1冊あたり210~525円]×100)=6万1000円~9万2500円で済み、1年前後で元は取れるという計算だ。

 往復2時間としても、その内読書に充てられるのは一部でしかないだろう。どんな本かにもよるが、平均5時間で一冊いけるかなあ。しかも、集中を欠きがちな電車の中で。年間100冊読むようなスーパーヘビー読書家は数万人に一人しかいないだろう。それに、通勤電車で5時間で読みきれるような本を1冊平均で800円出す人はいない。

 読書ジャンキーになればなるほど、文庫本、古本、図書館を活用するだろう。立花が言っていたことで唯一頷けた「場所のコスト」も問題になるだろうから、文庫本や図書館比率は高くなるんじゃないだろうか。

 実際には、年間100冊の本を読むユーザーでも元は取れないということだ。

 こんな皮算用してるんだから成功するはずがない。橋や道路、空港をつくるときに、「これができたら、毎年XX百万人の需要増がみこめるから・・・」といっている官僚や政治家と一緒だ。

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