娯楽・・・プロスポーツ考

nikkansports.com :新潟にプロ野球チーム!08年加入目指す

 個人出資者の1人として球団経営にも参加するという池田氏は「同様の運営方式のサッカーでは年間1億以上の黒字を出している。野球も仕組みさえ作れば十分支えられる」と話した。平均4万人というJ1新潟での経験を応用する考えだ。野球とサッカーの競合を懸念する声には「新潟県民は約244万人。欧州には10万人規模の都市でサッカー、バスケットなど多くのプロチームを持つバルセロナなどの地域がある。新潟にも支えるだけの県民力がある」と話した。

 ライブドアや楽天よりは着実で方向性として正しいとは思う。一企業のエゴでルールが決められるような今のプロ野球ではスポーツの裾野を広げることは無理だろう。胡散臭い楽天やライブドアもこれまでに球団の無い地方をフランチャイズにしようという視点(最初は大阪とか神戸とか言っていたがな)は悪くない。

 しかし、疑問が残る:

  1. バルセロナなんかはその地方にしかファンのいないローカルチームではないだろう。バルセロナという都市ではなくバルセロナ地方全体が商圏だろう。新潟は都市としての規模は大きいかもしれないが、十分なバックボーンといえるかどうかわからない。
  2. 経営主体はどこなのか。知事や自治体の観光課では長期的な政策は打てない。責任の所在も不明確になって失敗例として、多くの第三セクター方式でやった開発事業の行き詰まりがある。
  3. 野球自体の魅力の低下。娯楽としてプロ野球しかなかった時代ではない。プロ野球を支えるファンの絶対数が減っていることを食い止めることは難しい。野球には、サッカーのような世界イベントがないのも痛い。オリンピックの野球がどんな寒いものかは、アテネオリンピックの球場の観客席を見れば分かる。
  4. 残念ながら、Jリーグもまだヨーロッパのクラブのようなバックボーンを持つに至っていない。バブリーな流行で一時的に盛り上がっているだけだ。地域に密着したクラブチームとしてのプロスポーツチームが日本社会に存在しうるのかどうかは分からない。ラグビーや都市対抗野球の定着

 日本のプロスポーツの退潮傾向の本当の原因はファンの変化だろう。これは、全ての娯楽産業にいえることかもしれない。全体のパイ自体が縮小傾向であるだけでなく、その振り分け方が変わったのかもしれない。

 相変わらず高い住居費用、のしかかる教育費・・・家計に占めるこれらの負担が娯楽への支出を大幅に減らしている。この割合が他の国と大幅に違う(中国や韓国はもっと激しいという情報もあるが、やっぱりそれらの国ではプロスポーツはあまり盛んではないだろう)のではないか。

 特に、一世代前に娯楽消費支出の柱だった成人男性の可処分所得が大幅に減少したのは大きいのではないだろうか。

 これらは、俺の少ない情報から類推しただけの妄想かもしれない。が、薄暗い古いスポーツバーやクラブでテレビ観戦して盛り上がっているイタリアやイギリスのプロスポーツファン(サッカー、ラグビー、ゴルフ、テニス、F1、自転車・・・)のオヤジさんを観ていてうらやましく思う。今、スポーツバーで日本代表を応援している金髪青年があと20年間も応援を続けていられるのかどうか・・・

 これについては、プロスポーツを支える娯楽支出という視点で別に書きたい。

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