すご腕アナリストの調査分析・・・

 日本の携帯電話メーカーの近未来戦略について、すご腕アナリスト(IDC Japan 株式会社)が分析している。

 しかし、調査というようなものはほとんど行わずに、すご腕な分析だけ行っている。とても香ばしいので、ぜひ読んでいただきたいが、無料だが登録が必要なページなので、流石の俺もたくさんの引用は憚られる。まあ、ヲタなみんなならとっくに登録してるよな。とりあえず、30000771/すご腕アナリスト市場予測/活路はどこに?「携帯市場」を斬る [キーマンズネット]

 国内市場は飽和状態にあり買換え需要も望めない。日本には10社ものベンダーがあり、市場の大きさから考えて過当競争状態にある。これからは3Gが主流となり研究開発費は高くなり、コスト上昇要因となるとともに、店頭価格上昇を招き結果として買換え需要の低下を招く。以上から日本のメーカーは海外市場を目指すしかないというのが結論だった。そして、海外市場で健闘しているサムスンを取り上げ、その要因として、以下の四つを挙げていた。

[1] 欧州、米国、中国などの巨大市場での市場プレゼンスの向上
[2]日本市場の最先端技術トレンドを研究・熟知し、ハイエンド端末の世界展開を早期に実行する
[3]プラット・フォーム戦略による生産分野の効率化
[4]同グループ内での厳しい競争原理を取り入れる

 流石は凄腕アナリスト。俺なんかの突っ込めることはほとんど無い。思いつた事といえば、

  1. 3Gが主流になってしまえば、2Gから3Gへの移行期よりは開発負担は減るのではないか。実際には、開発負担(費用)の総額はもっと大きいとこで決まっていて(企業の体力)、それをどこに振り分けるかでしかない。携帯電話だけを作っているメーカーはない。
  2. 世界戦略という意味なら、3G移行こそが世界戦略ではないのか。W-CDMAとCDMA2000に準拠した端末なら世界市場に対応が楽ということで、市場を大きくしスケールメリットを生み出せるといっていたはず。3Gが思ったほど普及していないのはキャリアの都合によるところが多い。
  3. 「プレゼンスの向上」って、どうやるの?それは、結果として現れたものじゃないの?
  4. 携帯電話は、キャリアのサービスと不可分な商品だ。電源対応とマニュアルの翻訳だけで世界中に売り込める家電品と同じようには売れない。
  5. サムスンがハイエンド端末で世界を席巻しているような印象を受けるが、それを証明するようなものは一切無い。まだ、世界では3Gサービスはほとんど認知されておらず、枯れた技術のGSM端末にカメラをつけたものを大量に売っているんじゃないのか?見本市で魅力的なデザインや機能の端末を出していることは認めるが(palmOSスマートフォンの実績もある。もっとも、京セラも海外では実績があるが)、それが全てではないだろう。
  6. グループ内での厳しい競争原理って・・・具体的になに?どうすりゃいいの?複数の開発陣を置いて競わせるの?ただでさえ、日本の標準の無いに等しい無線端末業界(PDC、W-CDMA、CDMA1x、PHS)ごとに製品を投入しているのに?さらに、開発リソースを分けろと?
  7. 店頭価格の上昇はキャリアのインセンティブ縮小が原因で、端末のコストとは因果関係は少ない。
  8. 後、上では言及しなかったが、1970年代の家電製品の輸出戦略の成功を製品の魅力と言う点で「成功例」としているが、為替とか物価水準、賃金水準を抜きにしても意味がない。技術以前の競争力があったことを忘れてはいけない。それと同じアドバンテージをサムスンが享受しているんだろう。

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