要検証:売れ続けたのか「ドラクエIX」

 ナンバリングタイトルは全て楽しんだドラクエ。IXも発売数カ月前(というか半年以上前だったような記憶がある)に予約して入手し楽しんだ。今になって発売当初のインタビュー記事を見つけたので、その時気になっていたことを書き留めておく。

 それは、セーブデータを一つにしたこととオンラインを活かした追加要素によって中古市場への流出を防いで売り上げを伸ばせたことの功罪だ。短期的には社長が言うように、売上本数の低下を防ぐ効果はあったのだろう。

 しかし長期的にはどうだろう。ドラクエシリーズは違うプラットフォーム向けに移植するだけでそこそこの本数が売れる人気シリーズだ。ファミコンでしかできないタイトルが現在のハード上で動くことで、昔クリアしたタイトルをもう一度買うということはある。しかし、IXだけは買わないだろう。online shop やすれちがい通信といった IX で追加された要素を楽しむことができないからだ。セーブデータを複数持てれば、一度クリアした人間でも、違うセーブデータを作って一からやり直すことができて、賑わいを保つことができたかもしれないが、IXはできない。時限アイテムをとったセーブデータを消すことはしたくない。

 「クリアした後にいろいろあって面白い」ということで、モンスターハンターのようなクエストを取り入れたのは楽しめる期間を伸ばすことに成功した。しかし、時が経つにつれて、「今からやっても、あのアイテムは手に入らないし」とか「地図が欲しくてもすれ違う相手がいない」になってしまった。VIII以前のタイトルはソフトだけで完結していたが、「いろいろ面白い」を追加したために、ソフトだけでは楽しめないオワコン化してしまった。

 これは、ドラクエに限らずオンライン要素に依存したゲームすべてに言えることだ。QMA DS が好きで2作とも持っているが、サーバーが止まってからは全くプレイしなくなった。単体でもクイズゲームとして機能するが、オンラインで知らない誰かと対戦したり協力したりが無くなれば魅力はゼロだ。

 過去のタイトルがリメイクされたりして(ストーリーやキャラを考える必要ゼロだ)生む利益も合わせて考えた場合 IX の戦略が正解だったのだろうか検証を見たい。

売れ続ける「ドラクエIX」 Amazonの不評は「そういうもんでしょう」と和田社長 – ITmedia ニュース

 中古市場に出回っている数が従来の半分~3分の1と「うまく制御できている」ことも、今後の売り上げに期待する理由だ。

 「これまでドラクエ、FF(ファイナルファンタジー)シリーズは、いかに早くクリアするかがインセンティブになっていたが、ドラクエIXはクリアした後にいろいろあって面白い」ため、“早解き”して中古ショップに売りに出す人が減ったことなどが、中古市場に流れなかった理由とみている。

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