ライブドア・プロ野球・政治家・官僚・・・そしてファン

 野球に興味はないが、今のごたごたは見ていて楽しい。

 旧制度の権化のような巨人オーナーと、それと対立することで良いイメージを確立したライブドア社長。しかし、現オーナー達は制度を変えようとし、存続派は現行制度を残そうとしているところが面白い。

 また、「新風を吹き込む」とか「選手・ファンの側に立っている」とか、中には「民主主義的」とまで言っているニュース番組があったが、ライブドアってそんなに持ち上げるような会社だったっけ?

 俺にとっては、光通信やクレイフィッシュに並ぶ名前なんだが・・・実態を知らないのではっきりはいえないが、去年ターボリナックスジャパンを買収したときの会見で「30%のシェアを2006年にとる」と言っていたことを忘れられない。

 今確認したら、ITMediaの記事が残っていたので、軽く突っ込みたい。

Turbolinuxのブランドは継続へ、ライブドアの説明会にて
まず、当面は、LindowsおよびTurbolinuxのダブルブランドで販売を展開していく。価格の改定などは当面行われない。また、今後、2製品を統合化する予定もないという。その理由として「現在、秋葉原などにいくと、LinuxディストリビューションというとLindowsと Turbolinuxがズラリと並んでいるような状況にある。これを1つの製品にしてもあまり意味はないと考えている」(ライブドアのLindowsプロダクトマネージャー、板井清司氏)

 ホントに秋葉原ではLindowsとTurbolinuxがズラリなのか?また、linuxディストリビューションの特徴として、フリー版のダウンロードや雑誌の付録版によるインストールが大半という事実を無視していないか?

板井氏は、BCNが行った国内LinuxOS市場におけるシェア(出荷本数ベース)の調査結果などを引用し、今後の展開を話している。BCNの調査によると、国内LinuxOS市場における現在のLindowsおよびTurbolinuxのシェアは実に75.8%で、2位のRed Hat(17.2%)を大きく引き離した格好となっている。

 しかし、グローバルで見たクライアントOSのシェアはWindowsの93.8%に対し、Linuxは2.8%に過ぎないとし、2.8%の枠の中でちまちまとやるのではなく、Microsoftが寡占状態にある市場に打って出たいという。同様のアピールはLindowsを国内販売し始めた時にも語っていたが、より鮮明になった格好だ。

 上でもつっこんだように、linuxの場合は売上はインストール本数を表さない。実態を知らない人がこんな数字を見たら、「国内のLinuxマシンの大半がLindowsかturbolinuxだ」と勘違いしてしまう。実際にはそんなことはなくて、2004年7月でも大半はRedHatだろう。本当にこんなシェアなら、ネットでturbolinuxの情報を探し回って苦労することは無かったはずだ。

 目標としては、サーバ・クライアントOSのシェアで30%(クライアント20%、サーバ10%)を2006年末までに狙いたいとしている。

 これって、おかしいだろ。だって、母集団が違うシェアを合計して30%って・・・どんな計算してるの?「アンケートの結果、男子の20%、女子の10%。つまり、クラスの30%が持っている」なんていえないだろ。男女が20人ずつのクラスなら、男子4人、女子2人の6人で、15%だ。まして、クライアントPCとサーバーのように台数差が大きいときにはほとんどが大きい母集団に飲み込まれるはずだ。という以前に、男女というクラスという単位でくくれるもの同志の加算ならともかく、サーバーとクライアントPCという別の用途のもので足し算しても意味が無い。

 まあ、目標をクライアントの20%と差し引いて考えても、そのシェアはmacの数倍だ。リプレイス用の単体OSパッケージの出荷本数がどの程度かは知らないが、OEMのプリインストールによる出荷が大半だろう。そして、大半のパソコンユーザー(Win、macを問わず)は、アップグレードすることもなく、マシンを買い換えるのだ。自分でOSのバージョンアップ版を購入しバージョンアップするのは半分もいないだろう。そして、そのほとんどはプリインストール版のアップデートでしかないだろう。そんなときに、「じゃ、次はこっちのディストロで」なんていうヲタは全体の10%未満だ。

 プリインストールの廉価版PCパッケージにプリインストールする方向もあるが、少なくとも日本市場では無理。未だに、大半のユーザーが、「とりあえずwin」を選択枝の前提にしているから。なんの疑問も持っていないから。

 この構造がこわれるのは、「家にはPCいらないな。ケータイでネットできるし。」という時代の到来を待つしかないだろう。

 ところで、プロ野球について言うなら。ファンのことを考えていないとか言うのはおかしい。ファンが近鉄のことを考えて球場に足を運んでいたらこんなことにならなかったのだから。ファンに見捨てられたんだから、ファンのことを第一に考えてなんかいられないだろう。もう、12もの球団の運営費をまかなうだけのファンがいないんだ。これは事実なんだから、そこから出発していかないとダメだろう。

 なぜ、野茂やイチロー、松井が大リーグに行きたがったのか。大リーグでやることが楽しいのはなぜか、今一度考え直し、反省する必要がある。それは、巨人のオーナーだけではなく、巨人にそんな力を与えたプロ野球ファンやあおることで儲けてきたマスコミも含めてだ。

 日本の政治家どもがクソなのも、官僚が不正ばかりやっているのも、宮中の取り巻きが差別意識丸出しなのも、そんな奴らのすることを無批判に受け入れてきた日本国民全員の責任として、子供達に頭を下げて反省しなければならないのと一緒だ。

 しかし、選手会の代表をしているヤクルトの古田選手が「オーナーと話したい」と言っていることを聞いたときの巨人のオーナーのコメント「対等だと思っているのか」という発言を聞くと、ライブドアを応援したくなる気持ちも分かる。

 このじじいの発想は、著作権を振りかざして流通業者の既得権を守ろうとしているレコード会社と一緒だ。アーティスト(野球の場合は選手)は興行主(オーナー/レコード会社)の利益を生むための道具にすぎず、自分たちと対等ではないという考え方だ。

 しかし、このじじいの言動は、オーナーとかいう以前の問題だろ。こんなやつ、親会社の出向なんだから読売新聞が切ればいいんじゃないのかね。

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