日経の死角「独走アップルの死角:日経ビジネスオンライン」

 なんというか、Apple に批判的なことを書けば釣られるバカがいるという日経の策略に引っかかってしまったが、あまりに稚拙なので書かずにいられなかった。この人たちのいう「死角」の根拠は以下のことかな。

一部からの「新味に乏しい」「革新的ではない」といった、失望の声
「一部」の声が全体に影響をおよぼすのか? Kindle fire や Android の端末にはそのような疑問の声は一切ないのか?一部に不満の声があること、しかも製品を買ったユーザが製品に対して失望したと言ってるのではないことを製品に不満の声が上がっているのと勘違いしているんじゃないんだろうか。
ジョナサン・アイブ氏の出番もなかった
Ive が PV に出なかったからといって革新性が無かったというのだろうか?これまでの iOS デバイスは Ive が PV に出演したから革新的だったのか?違うだろ?
iPad2の値下げも、効果は見込めるだろうが創造的施策とは言い難い。ごく普通の家電メーカーでも考える手法なこと
当り前のことをやっちゃいけないのww それに、旧モデルを安く売るというのは iPhone 4 からやっていたことなのに、新しい iPad の時だけがっかり要素にするの?
ちなみに、日本ではあまり話題に上らないが、2011年のスマートフォンのアメリカでの売上の順位は1位 iPhone 4S、2位iPhone 4、3位iPhone 3GS だった(全てのメーカーの端末でのランキング)。iPhone 4 がメインの時も 3GS は売れていたし 4S 発売後も 4 は売れたのだ。製品ポートフォリオでこういう製品が売れ続けるというのは企業に大きく収益をもたらす(マーケティングではこれを金の生る木というよ)。開発費用も販促費もかからないのに売れ続けるのだから。日本製の端末は1年もしないうちにたたき売りされるのに、iPhone や iPad は売れ続けている。
更に言うなら、ソニーや東芝は現行機種を販売不振のために値下げせざるを得なかった。市場価格はジリジリ下がり続けている。それに対して、iOS シリーズはほとんど値引きされずに主役の座を守り続ける。これをごく普通の家電メーカーができているんだろうか。
日本の大手電機メーカーの端末開発者の「新モデルを出すたびに、革新的な何かを消費者に提示してきたアップルの勝ちパターンが、今回の新型iPadで崩れた」という指摘
ということは、新しい iPad は負けるということなんだね。
話はそれるが、その日本の大手電機メーカーが開発する新モデルが 新しいiPad に勝てるんだろうか。2012 年にその日本の大手電機メーカーからは 新しいiPad が陳腐に見えるような革新的な新モデルが出るんだろうか。これは大きなスクープかもしれない。韓国、中国、台湾のメーカーにすら互角に戦えていない日本の大手電機メーカーが iPad に勝るということは数千万台の売上が見込める革新的タブレットを出すというのだから。
Google Play
全然新しいサービスじゃないが・・・この人は Android market を知らんかったんかな。
Android 端末
だから、比較の対処がおかしいって。Android 連合軍と一社と比較するのか? Android 端末で一番売れたのは Android とは言いがたい Amazon だろう。それも 1/3 以下で、売上高では更に半分以下だろう。

 先日も似たようなエントリをどこかで読んだが、Apple の危うさとか死角という記事の多くが、Apple のあら捜し(しかも憶測)に終始している。その視点で Android のメーカーを見たらもっと危ういんじゃないの?と思う指摘が大半だ。まあ、こんなことは分かった上でぼけて見せてるんだろうな・・・やるな、吉野 次郎(よしの・じろう)さん、宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)さん。Google や Amazon が Apple に優っているというところを一切提示せずに、「XXという声もある」とか「XXがこんなことを言っていた」で記事にして通るんだから美味しいな。日経BPは。入りたい。入れてください。

独走アップルの死角:日経ビジネスオンライン.

「革新性が失われた」との批判も

 新製品の発表と同時に競合対策を打ち出したアップルだが、死角はある。見た目の形状がiPad2とほとんど変わらない新型iPadには、一部から「新味に乏しい」「革新的ではない」といった、失望の声が上がる。

 理由はプレゼンの達人と言われた、故ジョブズ前会長の不在だけではなさそうだ。革新的なアップル製品誕生に大きな役割を果たしてきたとされる、インダストリアルデザイン担当の上級副社長、ジョナサン・アイブ氏の出番もなかった。

 以前は、iPadなどの主要製品の発表に合わせてアップルが世界中に公開する動画の中に姿を見せ、製品の素晴らしさを語るのが一般的だったが、今回公開した動画には、マーケティング、ハード、ソフトの担当幹部が顔を見せただけ。発表会の壇上にアイブ氏が登ることもなかった。

 競合対策で打ち出した従来機iPad2の値下げも、効果は見込めるだろうが創造的施策とは言い難い。ごく普通の家電メーカーでも考える手法だ。かつてのアップルは携帯型音楽プレーヤーのiPodで、単なる廉価版ではないiPod shuffleを発表し消費者の心をつかんだが、iPadではこうした取り組みはまだ見えない。

 日本の大手電機メーカーの端末開発者は、「新モデルを出すたびに、革新的な何かを消費者に提示してきたアップルの勝ちパターンが、今回の新型iPadで崩れた」と指摘する。

 ジョブズ前会長が君臨していた時のように、アップルは斬新な商品を絶え間なく世に送り出せるか。クックCEOは次の言葉で発表会を締めくくった。「今年はほかにもたくさんの革新的な商品を提供する。これはまだ始まりにすぎない」。2011年10~12月期だけで売上高が463億ドル(約3兆7000億円)、純利益が130億ドル(約1兆円)を超す企業トップの言葉の真価が試されることになる。

米グーグルがコンテンツ強化で猛追

 世界のタブレット端末市場で、米アップルを追い上げているのが、米グーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」を搭載した製品群だ。米アマゾン・ドット・コムや韓国サムスン電子などがアンドロイド対応のタブレット端末を発売しており、アンドロイド陣営の出荷シェアは2011年10~12月期に前年同期より10.1ポイント増えて39.1%となった(米ストラテジー・アナリティクス調べ)。

 グーグルは自陣のさらなる拡大を狙って、アンドロイド端末向けのコンテンツサービスを強化している。
「iCloud」に対抗

 新型iPad発表当日の3月7日には、ゲームなどのアプリケーションを配信する「アンドロイドマーケット」と、音楽や映画、電子書籍の配信サービスを統合して、新たに「グーグルプレー」を立ち上げた。
グーグルは3月7日、ゲームなどアプリケーションの配信と、映画の配信サービスなどを「グーグルプレー」に結合

 グーグル日本法人は「コンテンツを1カ所に集約させ、利用者の便宜を図った」と説明する。グーグルプレーで購入した、ゲームや音楽、映画、電子書籍などは、アンドロイド対応のタブレット端末のほか、スマートフォン、パソコンなどあらゆる機器で共有できることをうたう。外出中にスマートフォンで読みかけていた電子書籍の続きを、帰宅後にタブレット端末で見るといった具合だ。アップルのクラウドサービス「iCloud」を意識していることは明白だろう。

 アップルのコンテンツ配信サービス「iTunes Store」で購入した音楽や映画などは、iCloudを通じて、自身の持つあらゆるアップル製品で利用できる。グーグルは同様のサービスを提供することで、アンドロイド搭載の製品群で消費者を囲い込みたい考えだ。

吉野 次郎(よしの・じろう)
日経ビジネス記者。1期生として慶応義塾大学環境情報学部を卒業。1996年に日経BPに入社し、通信業界の専門誌「日経コミュニケーション」で2001年までNTTと新電電の競争や業界再編成を取材。2007年まで通信と放送の専門誌「日経ニューメディア」で、通信と放送の融合やデジタル化をテーマに放送業界を取材。現在は「日経ビジネス」で電機やIT(情報技術)業界をカバーする。好きな季節は真夏。暑ければ暑いほどよい。お腹の出っ張りが気になる年齢にさしかかり、ダイエット中。間もなく大型バイク免許を取得する予定。著書に『テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか』(日経BP)。

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)
日経ビジネス記者。1993年に日経BP社に入社し、パソコン専門誌「日経MAC」「日経クリック」「日経WinPC」の編集を担当する。2002年~2004年、米ニューヨークに留学。帰国後、中小企業のためのIT化情報サイト「SMB+IT」「日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)」の編集を経て、2007年から「日経ビジネス」編集部。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。2011年、約4カ月にわたりケニアの首都ナイロビに滞在。趣味はサーフィン、スノーボードとサンバ楽器演奏。

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