有用な情報はどこだ?食べログと Google dance

 楽しみに聞いている podcast 流行りモノ通信簿の074回「食べログが進化したんですって!」 で食べログのステマ問題を扱っていて興味深く聴いた。サーチエンジンの SEO と比較していたが、全く同じ構図ではないだろう。ステマへの怒りの中心は「善意の個人を装ったこと」にあると思う。

 金になるなら、パチンコ、競艇、タバコ、風俗店、大人のおもちゃ、何でも持ち上げさせてもらいすからよろしく。とまあ、営業は置いといて、ステマやアンチSEO対策はアンケートの精度を高める取り組みと似ている。ここが興味深さのポイント。

 本当に有用な情報を掬い上げるのは難しい。個々人が従来つけた点の平均との乖離を元にするのはいいように思えるが、好きなところにしか投票しない人と全ての場所に点数付けする人では、前者のほうが平均点が高くなるだろう。だからといって、前者の5が後者の3と同等の価値とは言えない。たくさんの評点を付ける人がレビュワーとして参考になる人かどうかは誰にもわからない。一人の人間が短時間に地理的に広範囲のレビューを大量に投稿していたら怪しいが、旅行などのケースもある。携帯電話番号による認証というが、無いよりはマシという程度だろう。

 インターネットのランキングといえばまっさきに思い浮かぶのは Google 先生のページランクだろう。被リンク数から発生し、リンク元の重み付けやページの文法解析までやってのけるようになった。そして、SEO を無効にするためのアルゴリズムに手をつけるらしい。先日、Twitter で見かけたツイートで気になったものがあったが TL では見つけられないとき、Google で検索したらその元記事をreblogしたTumblrのエントリばかりが何ページも引っかかった。reblog のリンクを辿って元記事に辿りつけたが、オリジナルよりもフォロワーの多い Tumblr アカウントのほうがランキングが上になってしまうのだろう。SEO 対策ではないが、reblog のようにオリジナルではないエントリは順位を下げてもらわないと発信者が報われない。

 ブログがアーリアダプターに広まった 2003 年当時ブログが上位に上がるということで問題視する声が上がった。自分は企業の広告よりブログのほうがはるかに信頼性が高いので、商品の評判はブログを探すほうが多いが、そうでない人の方が多かったらしい。その後、Google はアルゴリズムを変えて、業者の広告を上位にするようにし、今では商品名で検索をかけると Amazon と 価格.com、楽天・・・の通販サイトが数ページに渡って表示されるようになった。個人的にはそんなものはいらない。価格を比較したい時にはそういうサイトに行くし、Amazon で買いたいものは Amazon で検索するから。

Google、“過剰SEO”サイト対策のアルゴリズム変更を予告 – ITmedia ニュース.

 ある聴衆からの、いいコンテンツでもSEOに注力していないWebサイトはどうすればいいのかという質問に対し、内容の充実したWebサイトを過剰にSEO(検索エンジン最適化)されたWebサイトと差別化するために、ここ数カ月新たな変更を準備していると説明した。

 カッツ氏は「通常は(アルゴリズム)変更について予告しないのだが」、来月か数週間後にこの変更を実施したいと思っていると語った。「われわれは競技場を公平にしようとしている」とカッツ氏。そのためにGooglebot(GoogleのWebクロール用ロボット、スパイダー)を改良し、過剰にSEOを行っているページを見つけ出すという。

 これらを見ていて興味深いのは、ほしい情報を得るための努力だ。食べログにしても Google にしてもインプットをこれまでと変えることはしないようだ。得られたサンプルからどう有用な情報を引き出すかというのは、アンケート結果の分析と同じだ。Webや雑誌のアンケートにはここまで真剣にデータに向かい合ったものがない。Webや携帯端末でとっているアンケートの大半はここがいい加減。というより、まともなものをほとんど見た記憶がないほどだ。ホントに、XX総研とかのリサーチャーとか言う奴らは価格ドットコムや Google の爪の垢を煎じて飲んで欲しい。

 

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