技術の種:撮った後で焦点を変えられる革命的カメラLytroの実写レビュー

 これはデジカメの発明を上回る発明かもしれない。原理がわからない。デジカメは銀塩フィルムを撮像センサーに変えただけで非常に理解しやすかったが、これは全く違。どの方向から来た光かを記録するようだが・・・LytroLytroにある説明

 実際に使ったレビューがあった。予想外の制限が多数あって、プロトタイプの域を出ていないようだ。サーバに置くしかないのはデータフォーマットを見られなくないからか、サーバのプログラムでなければレンダリングできないのか(最終的に平面のパネルに表示するためには2次元のビットマップデータを生成しなければならない)は分からない。

 自分としては、ブラウザでしか見れないもの、自分で撮った写真を自分のPCに置けない(メーカーが潰れたら写真を見る手段がなくなる)ようなものを買う気にはならない。何年か後に先見の明を自慢したいガジェット好きや金の使い道に困っているような方はぜひ買っていただきたい。種に水をやるように。

撮った後で焦点を変えられる革命的カメラLytroの実写レビュー:可能性は巨大だが…
ここまで書いてきて、やはり厳しすぎる評価になってしまったかもしれないと反省している。これは私がこの記事ではテクノロジーではなく製品そのものを評価の対象としたためだ。テクノロジー自体は圧倒的興味深いもので、発明者のRen Ngを始め関係者が確言するとおり、単レンズによる3D動画の撮影など将来の応用の可能性は圧倒的だ。ただ問題はそうした可能性のどれ一つとしてこの製品に実装されていないことだ。上に述べたような数々の制限のせいで、一般のコンパクトカメラユーザーはすぐ飽きてしまうだろう。

今年後半にも発表される予定の次の製品では焦点距離、ホワイトバランス、露出などが調整可能になり、ソフトウェアの機能も強化される(Windows版もリリースされる)。3D化や視点の自由な移動なども将来は可能になるだろう。

しかしこうした機能がいつ実現するかは誰にも予測がつかない。現在のところ、以上に紹介したような限られた能力で価格は400ドルとなっている。実験的な意味を別にすると広い範囲のユーザーに受け入られる可能性は低いだろう。

私はフォトグラファーでもあり、ガジェット評価の専門家でもあるが、市場性には疑念が拭えない。Lytroのエンジニアは天才クラスだし、そのテクノロジーは革命的だ。将来の可能性も巨大だ。しかし最初のプロダクトは非常に限界のあるものとなっていると言わざるを得ない。1年後にはまったく状況が変わっていることを期待したい。

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