G5(PowerPC 970)ブレードサーバー

 G5を使ったブレードサーバーをIBMが発表した。この間のスーパーコンピューターランキングで強烈なデビューを果たしたので、このチャンスを見逃すはずはない。しかし、先日の報道では、G5とかAppplが強く取り上げられていたことがIBMとしては気に入らなかったのだろう。このリリースでも、「G5」とか「ビッグマック」という言葉は一度も出ていない。それどころか、このプロセッサーを使ったシステムが、驚くべきコストパフォーマンスでランキングの3位に入ったことすら取り上げていない。

IBM ニュース – Japan 2003-11-19 64ビットPowerPCプロセッサー搭載のブレードサーバー新モデル

 新製品には、IBMのUNIX(R)サーバー 「IBM pSeries(R)」のプロセッサーに採用されているPOWER4(TM)テクノロジーを基盤に開発された、64ビット・プロセッサー「PowerPC 970」1.6GHzが2個搭載されています。

 IBMがスーパーコンピューターランクに興味がないはずはない。それは、下のリリースを見ればはっきり分かる。

IBM ニュース – Japan 2003-11-17 IBM「Blue Gene」、スーパーコンピューター上位500リストに登場
「トップ500スーパーコンピューター」プロジェクトは、業界標準のベンチマークにより判定した最速のスーパーコンピューター上位500機種の最新ランキングを発表します。ピーク速度が2テラフロップス(毎秒2兆回の演算能力)のIBM製スーパーコンピューターBlue Gene/Lの初期小型プロトタイプは、約1立方メートルというラック半分のスペースしか専有しないにもかかわらず、世界の最先端を行くものとして評価されました。

現在、米国カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所用に構築中の完全な機種Blue Gene/Lは、大きさが128倍で、ラック64台分のスペースを専有します。2005年の完成時には、Blue Gene/Lがスーパーコンピューター上位500機種リストの第1位になるものとIBMは予測しています。これは、現在最速のスーパーコンピューターと比較して、速度が6倍、演算1回当りの消費電力が15分の1、サイズが10分の1以下というコンパクトなものとなります。

 ついでに、G5がランクインしたときに行われた記事のうちまともなもの。というか、俺がそう思ったものは、ZDNN:PowerPC 970とOpteron搭載マシンがスパコントップ10入り

 実際、このブレードサーバーが間に合えば、これを使っていた可能性は高いと思う。ラックのスペース効率がいいだろうから。ボード一枚平均コスト自体は大差はないんじゃないかと、素人考え。

 IBMとしては、下位のクラスはPPC970で、トップクラスはBlue Geneでカバーしたいところだろう。Blue Geneがbigmacに負けることは許されないから、プロジェクトメンバーは大変だろう。他のメーカーだって黙っていないだろう。intelもAMDも64ビットプロセッサでの優位性を証明したいところだ。この争いは、エンジンメーカーにとってのF1やGPのようなものなんだろう。来年のランキングが楽しみだ。

 もちろん、この記録はデスクトップアプリケーションしか使わない一般ユーザーには全く関係がない。F1の優秀性と一般道での実用性とが全く関係がないのと同じだ。

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