Blogの増殖で変わる世界について考えるについて考える

Blogの増殖で変わる世界について考える:CNET Japan – 梅田望夫・英語で読むITトレンド

様々な職業について、独自の情報ソースと解釈スキームを持ち、一線で仕事をしているそういう連中が、「俺もやってみるか」とカジュアルに情報を発信し始めれば、それは面白いに決まっているのである。

まぁ、全体として、英語圏のBlogというのは、そんな雰囲気になっている。

 独自の情報ソースを持っている人がその情報を発信するのなら面白くなるだろう。日本のblog(ウェブ日記)で発信される独自情報の大半は私小説的な日常であって、「情報発信」とはいいがたい(それでも、ポータル風サイトよりはるかに面白いが)というのが日本の現状だろう。
 しかし、オリジナルの情報ソースを持っているからといって、それを発信できるのか疑問だ。日本で、そういうサイトとしてPOBoxの作者のサイトや自分でジェットエンジンを作ってしまったバイク屋さんのサイトがあったけど・・・

スター誕生ってほどのことではないが、在野の「writing talent」がBlogによって発掘される話。アメリカ人好みの話だが、ジャーナリズムの業界構造そのものが変化するのではなく、その業界で働くためのパスが多様化しているというのが記事の

 これは、俺がそうなるという意味ではなく、ありそうな気がする。原稿用紙を用意して投稿用の文章を書くことは敷居が高くても、blogツールならば書き始める時の「初めの一歩」がやりやすくなるから。ピラミッドの底辺が広がれば上位は高くなる可能性がある。既に日本でも、ウェブ日記出身の作家は現れた。エロ関係に限定されるのが日本の現状と限界ではあるが(単に俺が見落としているだけかもしれないが)・・・
 ただ、雑誌や新聞で散見するひどい文章を書く「記者」なんかより、まともな文章を書ける人が幾らでもいることは有名どころのblogサイトを読めば一目瞭然。新聞社・雑誌社に就職した有名大学出身の受験勝者みたいな人間全てがまともな文章を書けるという保証はない。むしろ、大半がダメといっても構わない。こういった、適性の必要な職業へのパスとしてblogが使われれば、マスコミの文章もましになると思われるし、そうなって欲しい。マスコミ志望の人間が自分のblogの質でアピールできるようになればいいのにと思う。

さて最後に、そういうふうに質の高いBlogが増殖している(と同時に関心のないBlogもその1000倍、1万倍くらい多く増殖している)、また質の高いBlogの中でも自分に関心のないテーマの書き込みのほうが大半、という現象を前にして、これからどんなふうにうまく時間を使って、自分にとって面白いもの、意味あるものを抽出して読むことができるのか、という悩みに行き着くのである。

 これは大きな問題だ。MyBlogJapanが出来たときに、タイトルを表示してくれるので効率的になった。しかし、それは一時的だった。一日あたりの登録リストは数百になっているので、全部の内容を読むのはもちろん、タイトルを読むことも難しくなった。タイトルから中身を類推して「当たり」に巡り会う確率も大きく減ってしまった。
 これに拍車を掛けるようになったのが、blog版spamともいうべきblog型広告だ(例:ひかりTOKUX2情報局)。「エロスパム分析でもしているのかな?」と思ってクリックしたら、単なるエロ広告をblogのエントリにしているだけの業者だった。困るのは、実際にそんな切り口で面白いサイトもあるということだ。
 このサイトのような純粋なノイズ以外にも、タイトルで中身が分からないものや、タイトルをつけていないエントリも「当たり」を見つける確率を下げてしまう(仮にそのエントリが高品質であっても、タイトルだけで素通りしてしまう可能性が高くなった)。日記才人(旧日記エンジン)が、カテゴリ分けを行ったのと同じように、カテゴリ別新規登録リストを作るしかないかもしれない。
 さらに難しいのが、誰にとって「高品質か」だ。俺がお気に入りのサイトが全ての人にとって素晴らしいという保証はない。むしろ、その人のブックマークやリンクリストは個性に溢れていると思う。評価も当然違うし、そうあるべきだ。
 ただ、これは本や雑誌、テレビ、ラジオ・・・ウェブサイト、全ての情報メディアにあてはまる問題かもしれない。「どこかのサイトのリンクリストからたどったページが面白かったのにURLを忘れて見あたらない」というのはよくある。本や雑誌は、特定の出版者や作家をに絞ってウォッチしているのが現実だろうからね。
 blogもウェブサイトや日記サイトと同じ道を歩むような気がしてきた。それは一言「玉石混交」。いい情報に出会うこともあるが極めて希。しかし、必ずそこにあると信じて読み続けない限り出会うことは出来ないということだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です