伊藤忠太展を見てきた

 大阪難波のキリンビールの美術館で伊藤忠太展を見てきた。

 色々、面白いものがあったが、残念なのは二楽荘について全く触れられていなかったこと。しかし、ほとんど同じ様式の建築物を作っていたことが分かった。それは、京都に現存しているらしい。

 建築探偵の講演とか建築物バスツアーもあったらしいことを会場で知った。

 個人の墓もたくさん設計していたことを知った。紀行文をたくさん残していて、海外経験の乏しい当時の日本人への土産話が盛りだくさんだった。受け入れる側も日本人が珍しいらしく、時に歓待をうけたり、珍奇なもてなしを受けたことが書いてあった。自由に閲覧できるコーナーがあって、椅子もあったのでゆっくりと読めたが、時間切れで3冊のうち1冊しか読めなかったのは残念だった。

 設計図に人物を描きいれていることや、ほとんどボツになったようだが、屋根の端や欄干などに怪物の像を置こうとしていたのも面白かった。中世ヨーロッパの建築物などにある悪魔像に影響を受けたようだ。また、怪物についても、興味を持っていたらしく、訪れた国々でいろんな怪物像を写生している。日本の怪物像が凡庸なことを嘆いていたりもする。

 テキストでは、「何でもいいから怪物を描いてみろといわれても、なかなか過去にあるものから抜け出ることは難しい。」と書いている。人間の想像力の限界について考察しているものは面白かった。

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