コミュニケーター

 コミュニケーターはオタクにとって理想のPDAに近いかもしれない。

 しかし、日本市場で一つ大きな壁が立ちはだかる。キャリアのやる気のなさだ。すでに北米市場で多数のCDMA対応コミュニケーターを出しているAUには技術的な障害はほとんどないと思われる。少なくとも、他のキャリアに比べれば、大幅に楽なはずだ。にもかかわらず出そうとしないのは、そこにメリットを感じていないからだろう。

 端末をキャリアがキャリアブランドで売りサポートをする日本の形態が邪魔をしているのかもしれない。PDAのトラブルは携帯電話の比ではない。普通に使っていてもリセットがかかったり、システムエラーの起こるPDAをケータイショップの売り子にサポートができるはずがない。今のように、「ユーザーの責任で」と未サポート前提でオタクに売るのと、携帯電話と同等の信頼性を要求されるコミュニケーターとではサポートの負担は全く違うだろう。

 また、オタク界では「As is…」や「ユーザー責任」が浸透してきたが、携帯電話ユーザーの大多数にはそれは受け入れられないとの判断だろう。俺もそう思う。というより、個人レベルではかなり認められるようになったし、ユーザー側でそんな端末を避ける選択眼は備わってきていると思う。

 問題は、日米の企業の感性だ。アメリカの企業であれば、こんなコミュニケーターでも便利な点を評価し導入することがありえても、事なかれ判断しかできない日本の企業(とりもなおさず、日本企業で意思決定をしている年齢層の無能のことだ)では、合計でプラスであっても、少しのマイナスがあると全否定するので、受け入れられない。

 あと、キャリアの利害関係もあるかもしれない。コミュニケーターがPCと同期することで、通信の減少を招くことを恐れているかもしれない。カレンダーを確認するだけでパケット通信が発生するほうが、PCとの連携+PCによるネット接続よりキャリアにとって金になる。メールにしても同様だ。

 PCとコミュニケーターの同期で期待するのは、キャリアが期待することの正反対であることが多いのは事実だ。コミュニケーターをクレードルに置いたら、ホットシンクでPCと同期し、PCの常時接続を使って直接webから情報を取得できるということを期待するだろう。

 しかし、一見そうは見えても、ネットワークをうまく使えば、キャリアにとってもユーザーにとってもメリットのある方法が見出せるだろう。キャリアが制限を加えれば、キャリアにとってメリットの大きい通信方法があったとしても使われない。使われなければ投資した費用は全額無駄になる。ユーザーにとっても魅力のある方法を提示することで需要が喚起されれば、やらずほったくりほどの利益率はなくとも回収は可能だから。「使ってもらってなんぼ」のサービス業だという認識を再確認して欲しい。

 では、どんな方法がいいのか・・・

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