「ハイケイデンス走」は自転車のみにあらず

メトロノーム 「ケイデンス」という言葉をロードに乗るようになって知った。サイクルコンピューターのケイデンス計で 90rpm(一分間に90回) で走るように心がけている。

 同じように、ランニングでもケイデンスという言葉を使うということを知った。そして、180 が目標値ということらしい。この 180 は自転車でいう 90 rpm のことだ。自転車はクランク一回転を1として数えるが、ランニングでは一歩を1と数えるからだ。足を使う長時間運動は「一分間 90 回」の反復運動というのがマジックナンバーなのか。しかし、ランニングで歩数を増やすためには力がいるので 180spm (180 steps per minit)をキープするのは難しい。変速機で抵抗を調整できる自転車と大きく違うところだ。

 後、この走法を心がけるようになって、自転車のペダリングとの類似性に気付いた。フォアフット・ストライク走法のランナーの足の運びは自転車の「クルクル回せ」に近い事がわかる。

 高ケイデンスで走るためには蹴った後の足を素早く前に戻す必要がある。そのために必要なのが、蹴った足をカカトが尻に当たるくらいに高く上げることだ。こうすることで、足を前に運ぶ際に移動距離が短くなり、スイング半径が小さくなる。カカトが尻に当たるようにする練習は足をこのように使えるようにするためだろう。

 更に、フォアフット・ストライク走法では、大腿骨が前に出てから下腿骨を前に振り出す角度も少ないので、短時間で次のステップに入れるのだろう。

 また、フォアフットストライク走法では尻の下付近で着地するのが理想らしいが、その時点でもう一方の足の膝が既に接地した足よりも前に出ている。そこから振り出した足をそのま下ろすようにするのと身体が追いつくのが同時で次の着地に移るイメージだ。足は前から後ろへ自然に振り下ろされながら着地する。

 ヒールストライクの場合は前に差し出した足のカカトから着地し、脚力で後ろに引くイメージだが、フォアフットストライク走法では回転する足が円運動の下死点付近で接地するイメージだ。

 ただし、前に振り出した足が接地する前に身体が追いついている必要があるので、完全なフォアフットで走るにはかなり速度が必要になる。フォアフット・ストライクのランナーの足の運びを見れば分かるが、足を前に振り出さずに着地するのではなく、前に振り出した足が戻ってくる空中に浮いている時に身体が追いついて下死点で接地するように見える。足を後ろに蹴り出す途中で接地するような感じだろうか(自分には分からない)。

 身体の真下で接地した足を素早く上方向に振りあげるので接地している時間は短い。その短い時間で斜め上に身体を前に送り出す強いバネが必要になる。なので、フォアフットストライクのランナーはヒールストライク・ストライド走法より上下動が大きい。トップランナーたちがそんなふうに見えないのは前に送り出す力が強く働いているからだろう。

 他のスポーツだとカヤックのパドリングとオールの関係に似ている。カヤックでは左右が連動し、水を引くのとパドルを前に戻す動作を同時に行う。エイトは直線運動に近い。自転車の重いギアを踏むイメージで漕ぐような感じだ。

 「カカトから着地しない。膝を曲げた状態で着地する。身体の近くで着地する。」とうい三か条を強く意識していると膝や関節の痛みはないが、太ももの前側の筋肉に負担がかかる。また、VFFやNIKE FREEで足の前の方で着地しようと頑張ると太ももに加えてふくらはぎとアキレス腱が疲れる。ヒールストライクだとシューズのクッションや関節で受けていた衝撃を筋肉で支えるためだろう。これについては、走りこんで鍛えるしかない。

 「クルクル回せ」で検索していたら「ロードバイクハック」というブログがヒットした。ここに「ロードバイクで使う体幹は、脚を回すときに生じる反対の力を抑えるための「腹筋まわり」と太ももを上げる時に使う「腸腰筋」、姿勢を維持する時に使う腰や背筋」とあった。全てがランニングでも必要とされる筋肉だ。この辺の筋肉を疲れを溜めずに運動を続けるためには90rpm(歩数では180spm)がいいのかもしれない。

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