iHAはイハではなくアイハと読む。または、FMラジオCMの変遷

 今のFM放送は自分が学生だった頃(30年前)と比較して、下世話な広告が増えた。というより、FM、AM、テレビを問わず、下世話な広告ばっかりになった。AMラジオやテレビは昔からそういった広告が、今ほどではなくても、あったので余計にFMの変化が目立つのだろう。

 うっとうしいのは、英会話教材・健康食品・過払い金返還請求・宗教だ。RADIKO で FM 放送を聴いていると耳について仕方がない。英会話教材と過払い金返還請求は主にスポットで宗教は番組形態が多い。そして健康食品はコーナーで割って入ってくる。

 今日気づいた健康食品に iHA(アイハ)というものがあった。年令による膝関節の軟骨の形成を回復させて膝の痛みを軽減するという、膝痛持ちの高齢者にとって気になる効果を謳っている。そして、言っている方法も一見正しいように感じる。

 そこで、ウェブで検索したらヒットするのはアフィリエイトブログと広告サイトだ。どれも公式サイトの焼き直しみたいなもので、何の参考にもならない。

 一つだけ、公式サイトで効果の根拠とした学会発表資料があった。学会で認められたわけでもなく、薬事法の薬品として認められたものでもないので、これを持って「効果がある」というのは間違いで「効果があるというレポートを学会で発表した」に過ぎないが、大半のサイトではオーソライズされたように書かれている。卵黄ペプチド「iHA」に膝軟骨修復効果ミラー

 うさぎの実験についてはノーコメント。しかし、「iHA 経口摂取によるヒト膝関節痛の軽減効果」については胡散臭い点がある。「事実を書いただけ。嘘は言っていない」といえる言い回しで読者の誤解を誘っている。

 これを読む人は「効果があるのかないのか。その効果は価格に対して妥当か」を知りたいはずだ。そして、「膝が痛いので、効果があるなら買ってもいい」という人が多いのではないだろうか。そういう人は効果の有無に期待が集中しがちだ。そこを狙っている。

 結論として、「iHA の摂取により関節の痛みが軽減された。また、摂取量の多い群において、より 早期に痛みの軽減を体感する傾向が見られた。」と書かれている。ちょっと言い過ぎな点が見られる(「より 早期に痛みの軽減を体感する」は結果1でプラセボが一時的にさがったこととの比較と言えなくはないが言いすぎだろう。)が、嘘とは言えない。

 が、プラセボ群も有意に改善していることに注目すべきだ。プラセボ群がなぜ改善したのかこの資料には書いていない。「患者」を対象とした病院での自己記入アンケート調査ということは、他の治療の効果が含まれているのではないか。プラセボ群だって改善しているのだからこれを飲まなくても改善は十分に可能ということだろう。

 上の結果は試験前と試験後(ということは治療の前後かもしれない)の比較のことしか言っていない。iHA に効果があるかどうかを検証するにはプラセボ群と比較しないと意味が無い。

 そして、この調査の胡散臭いところは、バラツキについて記載がないこと。この、80とか90とかいう指標の示す1がどの程度の差なのか全くわからない。オリジナルの論文には記載されていて、宣伝用に省略されているのかもしれないが、それを省略することで「見られては困る真実」を隠しているのではないだろうか。「見られて困る真実」とは、「病院に行って治療するのが一番で、iHAの効果は誤差の範囲」ではないだろうか?

 もちろん、これからの調査により効果が認められるかもしれない。そのためにはもっとサンプル数を増やして二重盲検法を使った継続的な調査が必要となる。自分が飲むとしたらそれが行われ、効果があると認められた後だ。いうまでもなく「トクホ」もだめねwww

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