10代は「リアル書店」好き 本ネット購入、40代が最多

 これを意外に感じる程度の認識でいるのが意外だ。日本通信販売協会の担当者もこの記事の見出しを書いた人間も表面的なものしか見ていないし、アンケートの価値はほとんどないだろう。

 調査の基本的情報が欠けた記事(元の調査結果に書いてあるかどうかも分からないが)なので、深くは分からないが、ここに提示された情報からはほぼ何も分からないというのがまともな人間が導き出せる結論だろう(めんどくさいので、この記事の調査としての問題点をあげつらうのはやめておく。興味がある方はタグの「調査」か「ココダメ」をクリックしていただきたい)。

 ひとつだけあまりにもひどいことだけ書く。「ネット通販で購入したことがある人の割合が低いから、10代はリアル書店が好き」と書くと乱暴さが分かるだろう。間違っているのではなく、この質問からこの結論を導き出せないのだ。10代がリアル書店好きかどうかは分からない。それを、「ネットに親しんでいるイメージがある若年層はネット通販で本を買うであろう。だから、ネット通販の利用率も他の年代より高いに違いない」という狭量な偏見と異なる結果を面白がって記事にしたのだろう。

 そもそも、本を買うという行為と本屋との関係について考察がゼロだ。10代の人間にとって本屋は手軽に時間が潰せるオアシスだ。小遣いが少ない中高校生ならなおさらだ。待ち合わせ場所にも使うだろう。本屋に出入りする習慣が40代以上の社会人と違う。この年代の会社員だと「昼休みや業務上の移動中を除くと、平日に本屋が開いているのを見ることがない」という人も多い。

 自分もそうだが、平日に時間を作ったり休日まで待って本屋に行くより、ネットで注文して家に届けてくれるネット通販のほうが、「本の入手手段」として合理的だ。それだけのことだ。好き嫌いではない。

 また、ネット通販を利用するにはクレジットカードがないと不便だ。そして、10代では自由に使えるクレジットカードは持っていないだろう。条件の違いを無視して原因を類推するのは乱暴そのものだ。

10代は「リアル書店」好き 本ネット購入、40代が最多 – 47NEWS(よんななニュース)
20150217_00本を買う際にインターネットの通信販売をよく使うのは40~50代で、10代は「リアル書店」好き―。日本通信販売協会が実施したアンケートで、こんな結果が出た。協会担当者は「ネットに親しんでいるイメージがある若年層のネット利用が少ないのは意外だ」と驚いている。

 アンケートは昨年9月、全国の10~60代の千人を対象に実施。過去1年間に本や雑誌を買ったと答えたのは715人。年代別に購入先(複数回答)を尋ねたところ、ネット通販の利用率が最も高かったのが40代で58%、次いで50代の53%だった。

 逆に、書店を利用すると答えたのは10代が最も多く83%に上った。 2015/02/15 15:37 【共同通信】

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