アクションカメラ:ダークホース JVC GC-XA2 に見るメーカーサイトの失敗例

 この製品のことはほとんど知らなかった。価格ドットコムのリストにはあったが、マイナーな感じで興味が湧かなかった。ずんぐりしたボディで SONY の AS100V より大きく感じたし。「老舗が既存の技術の延長で作ってみた」感が漂っているように思えたから。

 しかし、The Best Action Camera: Spring 2014 Editionの比較を見て、Sony AS30V の上にランクされているのを見て興味がわいた。レビューが今の世代ではないから、順位は「そのときにはこの順位だった」ということでしかないが、GC-XA2 もそこそこ健闘している。(ただし、既に市場では SONY が AS100V で Horo 3+ に肉薄し、GoProは 4 になって彼方に逃げてしまったが。)それほど画質にこだわるわけではないし、使用頻度も低い(自分の動画を観てくれる人の数はもっと少ないし)ので、あまり高いものを買いたくはない。この点でJVC GC-XA2 は非常に魅力的に映った。消費税・送料込みで2万円を切っているのだから。GoPro3+はこれの倍はすることを勘案すれば、コストパフォーマンス的には勝っていると言える(実機で確認していないので机上の空論だが)。

 そこで、JVCのサイトを探し見つけたのがスポーツカムGC-XA2製品情報 | JVCというページ。本題はここから。

 とにかく残念。分かってない日本企業の悪いところを凝縮したようなページだった。ぜひご覧頂きたい。そして、もやっとした気持ちになって戻ってきて欲しい。

 何が分かってないのかというと、自分たちが何を売ろうとしているのかが分かっていない。ここにあるのは商品の説明であって、その商品が提供できることではない。アクションカメラに興味を持ってこのページに来た人にとって商品のスペックや特徴は必要だ。しかしそれで十分ではない。というより、スペックシートなんて片隅でいい。重要なのは、このカメラで撮れる画像や、どうやって使えるかだ。

 では、GoPro4のサイトSites-GoProEMEA-Siteを見てみましょう。頭に動画がはられている。そして、この動画は Youtbue で公開されている。Youtube に行けば Gopro の作例のチャネルがある。レベルが高すぎて真似できる気がしないが、「このカメラでこんな楽しい動画が撮れるんだ」を訴えてくる。

 「GoPro の技術なんてたいしたことがない。業務用ビデオカメラを作ってきた日本のビデオカメラメーカーがその気になったら作れた」というのはただの負け惜しみだ。技術的に出来るかどうかではなく、作ろうとすら思わなかっただろう。これは iPod や iPhone と同じ構造だ。日本のメーカーは、Apple が見せてくれるまで HDD を使った音楽プレーヤーなど思いつかなかった。全面液晶のスマートフォンも作れなかった(iPhone 以前に全面液晶の携帯電話を作っていた時期があったがスマートフォンに進化させることができなかった)。手元に技術があるかどうかではない、それを使ってそれまでに無かった物を生み出せるかどうかだ。

JVC GC-XA2 webpage
 イメージ写真を見たくてくるんじゃないだろう。前モデルの2倍と書かれても、前を知らないといいのか悪いのか全く分からない。
 自分がJVCのページに行ったのはこのカメラで撮った動画を見たいからだ。そして、どんなマウントキットがあって、それが自分の用途で使えそうかどうかを確かめたかったからだ。カタログスペックは必要だが十分ではない。画素数が一緒だからといって画質が一緒でないのと同様に、ビデオカメラのスペックは「こういうフォーマットの画像が撮れる」という程度でしかない。それは上の Gizmode の比較記事を見れば分かる。どのカメラもスペック上は大差がないが、明らかに GoPro 3+ は画質も音質も頭ひとつ抜け出ている。確かめたいのはそこだ。しかし、あるのは商品の写真だけ。動画を取るカメラの紹介ページにこのカメラで撮った動画がないなんて信じられない。

 最悪なのが、このページ(feature01)。載せてある写真は全てイメージ写真。「そんなもん見たないんじゃ。このカメラで撮ったものをみせんかい」と声に出そうだった。後、「画素数2倍」というのも意味不明。前モデルに対して倍ということらしいが、前モデルの画質を知らない人間には全く無意味。液晶モニタのサイズと画素数が書いてあれば、「ああ、コンデジと同じくらいか」といった予想ができるが、その情報は示されていない。しかも、この写真の液晶の画面はハメコミ合成。発想が作る側なのだ。

 前モデルとこのモデルの液晶の見え具合を比較した動画でも載せれば一発で分かるのに・・・動画で説明してほしいことは他にも山ほどある。三脚穴が2面にあって、「様々なシーンにフレキシブルに対応」と書いてあるが、具体的にどんな使い方があるかの説明は皆無。これも動画で「この穴にこっちのアダプタを付ければ、こんなとこに固定できる」といったものがあれば、「ああなるほど。だから不細工になるのに穴を2箇所に付けたんか」と納得できる。

 なお、Facebook にhttps://www.facebook.com/JVCAdixxionUSA というページが有った。ダメなのは日本のサイトだからか・・・下の動画見たら一気に欲しくなったwww

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です