発想が貧困過ぎて残念。プロトタイプとはいえ、販売までに改善しなければならない問題は多い。というより、このまま販売しても絶対に普及しない。リアルタイム心拍計を5年以上使ってきた心拍計ヲタクの経験が根拠だ。
ダメな所を数え上げても長くなるので書かないが、このプロトタイプは日本企業がずっとやっている失敗の延長にあるとしか見えない。他社が提案したコンセプトに自社の技術で乗っかろうという安易な発想だ。この「新発想のセンサー付きTシャツ」なんか5年も前からできたはずだ。要素技術のバージョンは違うかもしれないが、胸バンドの形状を変えただけなんだから。ところが、東レもdocomoも5年前に心拍計を作るなんて言っていなかった。2年位前からiPhoneのセンサーとして様々な機器が開発されて評判になったのを見て作ったとしか思えない。
これは、作る側の都合でしかない。ユーザが心拍計やセンサーを日常的に使うための不便な所を身を持って感じて、それを解決する手段を考えぬいて作られたとは思えない。Sunto や Polar を使ったことがない、というより、このプロジェクトに配属されて初めて知ったような技術者が作ったのだろう。
自分で自転車に乗ることが日常の人間が作ったメッセンジャーとスポーツブランドやバッグブランドが作るメッセンジャーの違いを見れば分かる。形が似ていてもダメなのだ。それは、メッセンジャーバッグをショルダーバッグとしてしか使わない人間には分からないが、自転車乗りが見たら一発で分る。ユニクロのメッセンジャーバッグの残念感と同じものがこのTシャツにはある。(例えにユニクロを出したが、ユニクロのメッセンジャーも改良を加えて初期のものよりはかなり良くなっていることは付け加えておく)
“着る”センサーで健康情報を計測 – リアル開発会議 – 日経テクノロジーオンライン 医療のIoTでは、人体から健康に関するデータを取得することが重要になる。そこで注目されているのが、生体センシングだ。リアルタイムで大量のデータを取得するための技術開発が進んでいる。例えば、NTTとNTTドコモ、東レの3社が開発した「生体情報計装用ウエア」は、肌着自体に電極を埋め込んだことで、心電や脈拍を計測する際に金属製の電極を体に取り付けなくても済む。その結果、運動時や睡眠時などにも気軽に計測できる。
実際に計測・取得するには、ウエアの右肩付近にある金属製のボタンに専用端末を接続するだけでよい。端末は、心電波形や脈拍を計測する機能の他、無線通信(ブルートゥース)によってデータをスマートフォンに送信する機能も備えている。
2014年中にNTTドコモが中心となって、ウエアとスマートフォンを連動させたサービスを提供する予定だ。現在は、心電と脈拍を計測することを前提として電極の位置を決めているが、電極の位置を変えれば筋電や脳波も計測できる。