Google: Androidマルウェア漬け説に対し現実歪曲トークw

andriod history
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 確かに、iOS でできなかったことの多くを Android はできた。これは事実だ。キーボードというより日本語変換エンジンと目ざまし時計のAPIの開放は自分が iPhone 3GS を買った 2010/12 からずっと書き続けてきたことだ。が、だからといって、キーボードを差し替えられない iOS 7 が Android 3.2 と同程度の技術ではないことは言うまでもない。

 「Pichaiは守備にもまわり、AndroidではあらゆるセキュリティアップデートをGoogle Playで強制しているから、ハッカーたちが無防備な犠牲者にマルウェアをいきなり送り込むことはできない」というのも事実を都合よくねじ曲げている。Google が古い OS のセキュリティアップデートを強制しているかどうかは知らないが、ユーザの端末には届いていない。少なくとも自分の Huawei IDEOS U-8150 の Android 2.2 にも Motorola XOOM Android 4.0.3 にもアップデートは一年以上行われていない。Google Play につないでアプリのアップデートはしているが、OS 自体の脆弱性に対するセキュリティアップデートは行われていない。XOOM についてはアメリカでは 4.4 へのアップデートが行われているが、日本で AU 版を使っているユーザには無縁だ。春に見つかった脆弱性も放置されることが AU から公式に決められた。IDEOS についてはOSのアップデートは一度も行われなかった。これが現実だ。

 Google が Android OS にセキュリティアップデートを施してもそれがユーザの手元に届くまでにキャリアが介在するために大半の古いモデルは放置される。ここが OS を Apple が直接コントロールできる Apple と異なる所だ。

 他にも問題は有る。Google が 「Google Play で強制しているから大丈夫」と言っているというところだ。世界中には Google Play が動かない怪しい安価なスマートフォンやタブレットは多い。Android の台数別シェアを支える大きな部分がこれだ。これらは、Google Play が動かない端末が多い。当然、Google Play によるセキュリティアップデートなんて届くはずがない。日本のキャリアから買った Google Play が動く端末ですら切り捨てられているのに、Google Play が動きもしない端末に Google の統制が効いているとは考えられない。

 2年位前に発売された日本製のスマートフォンにはリソースが不足しているために、購入後一度のOSアップデートを受けられなかった機種がある。それらの端末はセキュリティアップデートを受けられてはいないだろう。

 Google の主張はこの現実から目をそらそうとしている。Apple の主張が全て正しいとは思わないが、Googleのこの発言は不誠実としか言えない。

Google: Androidマルウェア漬け説に対し、iOSはこんなに後れてると反撃 – Techcrunch

AppleのTim Cookは、今月の初めに行われたWWDCで、“Androidはマルウェアだらけの市場を支配している”、と述べて Googleを辱めた。そのとき彼は、分裂状態のオープンオペレーティングシステムは“ さまざまま脆弱性の有毒なごった煮だ”、と書いているZDNet誌の記事を引用した。Googleは今朝のI/Oカンファレンスでこれに反撃し、AndroidとChromeを担当するSVP Sundar Pichaiが、Androidの進歩の軌跡を示すスライドを映写してこう言った: “そのほかのプラットホームが今やってること、ウィジェットやカスタムキーボードなどなどは、Androidには4〜5年前からある”。

Googleのファンボーイズとファンガールズたちは、熱狂した。

Pichaiは一言もAppleという言葉を口にしなかったが、もちろんiOS 8にウィジェットやカスタムキーボードが導入されるという最近の発表を指している。また一方でPichaiは守備にもまわり、AndroidではあらゆるセキュリティアップデートをGoogle Playで強制しているから、ハッカーたちが無防備な犠牲者にマルウェアをいきなり送り込むことはできない、と述べた。

これまで、モバイルをめぐるAppleとGoogleのファイトといえば、iOS=美 vs. Android=パワー、がその枠組みだった。でもこのところAppleはデベロッパに対する柔軟性を拡大しているし、一方Androidは、クロスプラットホームなデザイン言語“Material”でデザインを刷新しようとしている。しかしこの二大オペレーティングシステムは、両社近づけば近づくほど、戦いはダーティーになってくるようだ。“Androidはロボット用だ!”、“iOSは幼児用だ!”、などと。

そしてあの気の毒なWindows Phoneは、ぼくも誰かがからかってくれないかな、と願うのだ。

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