まさかの退場者:ソニー、電子書籍ストアを北米市場から撤退。ReaderユーザはKoboへ移行対応

 Sony の Reader は Kindle 以前からあって、アメリカでは十分な地盤を築いているのかと思っていた。昨日の PC 事業からの撤退を含め、SONY は大きく変わっていくようだ。まあ、既に SONY は銀行や保険で成り立っている企業だから、「選択と集中」の結果として家電業界から足を洗うこともあるかもしれない。個人的にはパソコンよりテレビだと思うが・・・

 この報道でわからないのは既に買ったタイトルの権利と Reader の行く末だ。「kobo ストアへの移行をサポート」というのは、今持っている本の権利情報を Kobo が引き継ぐということか?あるいは Reader で Kobo ストアにアクセスできるようになるのだろうか?Kobo というのが微妙ではあるが、楽天がやったような切り捨てよりはマシだ。雨後の筍の淘汰の段階で楽天がやったようなユーザ無視の対応が取られると電子書籍の普及が遅れるから迷惑する。

 Amazon は生き残るだろう。Apple や Google のような体力があってインフラを持っている企業が撤退することは考えにくいが、本業が左前になったら不採算部門は切られる。今回の SONY のようにだ。

ソニー、電子書籍ストアを北米市場から撤退。ReaderユーザはKoboへ移行対応 (Engadget 日本版) – Yahoo!ニュース
Engadget 日本版 2月7日(金)2時1分配信

VAIO PC事業の売却や大規模な人員削減などリストラを進めるソニーが、電子書籍ストア Reader Store の北米市場からの撤退を発表しました。ソニーは6日のQ3業績発表で、 通期で300億円の黒字予想から1100億円の赤字へと大幅な下方修正を明らかにしたばかり。

米 Sony Electronics の発表によると、ソニーは米国およびカナダで電子書籍ストア Reader Store を3月下旬にも閉鎖する予定。既存の電子書籍端末 Reader や Xperia スマートフォン、タブレットなどのReader アプリユーザーに対しては、楽天傘下の Kobo ストアへの移行をサポートします。

また Reader ストアの閉鎖に伴い、今後の Xperia スマートフォンやタブレットには Kobo アプリがプリインストールされる予定。なお国内向けの Reader ストアは、今のところ平常どおりに営業中です。

更新:日本の Reader Store に、「今後ご提供予定のサービスのほんの一部をご案内」なる告知が掲載されました。そちらによると、春頃に iOS機器でも書籍対応 (従来は『『ソニーの電子コミック・雑誌 Reader』』アプリで、漫画や雑誌など画像ベースのコンテンツのみだった)。夏にかけてPCで読めるサービス、PS Vita アプリでも書籍対応などのアップデートを準備中とのこと。Reader端末についての言及はありません。

なお余談ながら、ソニーの Reader がどこの国でも存在感が薄かった理由のひとつには、仮にサービスを別にしても(できませんが)、デバイスとしてもアマゾンの Kindle に押されていたことが挙げられます。

特に専用リーダーの存在意義であり、みずから最大の売りとしていたE Ink 電子ペーパーディスプレイは、解像度やコントラスト、応答速度などの点で同世代の Kindle より劣っていることがたびたびありました。

以前 E Ink に取材した際に尋ねたところ、これはアマゾンが E Ink と期間指定で独占供給契約を結んでいたことが理由とのこと。アマゾンに抗して最新の部品を調達できなかった力不足といえばそれまでですが、あながちソニーの不合理な判断として責めることもできません。

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