電子書籍元年のはずが・・・「エルパカBOOKS(電子書籍)サービス終了のお知らせ」

20140113_eBook-ending 雨後の筍のように立ち上がった電子書籍販売も需要が増えないまま脱落するものが現れた。ユーザの利便性を無視した専用のフォーマットを各社が採用する中で弱小は消える運命だ。業界の標準フォーマットが策定されて Amazon で買った本も Apple や Google から買った本でも好きなリーダーで読めるようになれば中小も個性的なタイトルで生き残るチャンスが生まれたかもしれないが、現状では無理だ。不便すぎる。

 自分は iBooks が一番読みやすくて好きだが、Kindle のほうが安いことが多いので結果的に Kindle ライブラリが充実してしまった。今となっては、iBook で買ったタイトルを Kindle 版で買っておけば良かったと思うほどだ。一時期ここにも読了報告を書いた森見登美彦の作品で宵山万華鏡だけを iBook で買ったため、ライブラリが分散してしまった。

 もし、本の対価が著作権者が記したテキストを読む権利だとしたら、一度買ったタイトルを異なるプラットフォームでも読めるようにするべきだ。製作や流通のコストがかかっているとしても、著作権者に支払う分は差し引いてしかるべきだ。そのような枠組みができたら、著作権者の権利が尊重される。

 エルパカというのは完全に自分にとって圏外のサービスで買ったことはないのでどうでもいいが、購入した書籍分を返金するというのは思い切った判断だ。Ponta ポイントというローカルなものなので、差し引かれてる感があるが、良心的といえる。

 購入者は立ち読みで全ページを読んだようなものだ。著作権(出版社)への支払はローソンが行っているし、一度は対価を払ったので何ら問題はないが、貸本を借りた時程度の購読料金を負担すべきだろう。今回は、一方的なビジネスの終了でデータの資産的価値(いつでも読める)を毀損することに対する謝罪で相殺したということだろう。

 前後してしまったが、この知らせの後で、SONY が電子書籍ビジネスを縮小するということが発表された。日本でのサービスは継続するということらしいが、日本国内より大きなビジネスだった北米市場で足がかりを失うのは事実上の撤退だろう。Kindle の対抗とされた NOOK も撤退目前だ。日本の独自の電子書籍サービスもこの流れに続くだろう。個人的には Kobo が去る日を楽しみしている。

エルパカBOOKS(電子書籍)サービス終了のお知らせ
株式会社ローソン
エルパカBOOKS(電子書籍)サービス終了のお知らせ

2014年2月24日(月)をもちまして、エルパカBOOKSでの電子書籍サービスの提供を終了することとなりましたのでお知らせいたします。

サービス終了後は、購入済書誌含め、一切のエルパカBOOKSの「電子書籍サービス」をご利用いただけません。(書誌新規購入・再ダウンロード・購入済書誌閲覧含む)

尚、これまで弊社電子書籍サービスをご利用いただいたお客様へ、Pontaポイントによる過去ご利用いただいた購入金額をPontaポイントにて返金するサポートを実施予定です。 詳細はサービス上にて別途ご案内いたします。

■サービス終了までのスケジュール
2014年
1月16日(木):新規電子書籍の販売終了(新規課金の停止)
2月24日(月):電子書籍サービス終了
※購入済電子書籍の閲覧、再ダウンロード、リーダーアプリの終了

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です