新訳 Leaving on a Jet Plane

こちらはオリジナルの John Denver

PPM

 実に味わい深い。英語的な表現の宝庫といっていい。簡潔で深い。昔、ラジオ講座でこれを扱っている先生がいたが、今もそうだろうか。これは日本語にするのは難しい。

All my bags are packed, I’m ready to go

バックが複数。All my bags ということで何も置いて行かないという強い意志が分かる。そして、これが受動態であることも深い。荷造りしたのは自分だが、自分で奏したかったわけではないことを表現している。しなければならないことをしてしまった結果として出かける準備ができてしまったというニュアンスをたった9語で表現しきっている。

I’m standing here outside your door

自分が愛する人の部屋の前に今まさに立っていることを現在進行形で表現している。

I hate to wake you up to say goodbye

hate という強い動詞を使って、したくない気持ちを表現している。「サヨナラは言いたくない」よりももっと強い気持ちで自分の日本語表現力では簡潔に表現することはできない。漱石先生レベルでなければ不可能だろう。

But the dawn is breakin’, it’s early morn

But が、「サヨナラは言いたくないけど、朝が来たので言わなければならない」ことを表している。dawn is breakgin’ とここにも現在進行形が使われていて、今まさに夜が明けようとしてる時間帯であることが説明されている。彼女が夜通し荷造りをして朝になってしまったことが分かる。

The taxi’s waiting, he’s blowin’ his horn

ここでも現在進行形。タクシーの運転手に急かされている情景が分かる。前の morn (morning の省略)と韻を踏んでいる。

Already I’m so lonesome I could cry.

Already と could が効いている。

So kiss me and smile for me
Tell me that you’ll wait for me

smile for me、you’ll wait for me に悲しい気持ちが込められている。

Hold me like you’ll never let me go.

let は使役動詞。don’t ではなく never。like は〜のように。ここまでの短い詩で映画のラストシーンを観ているような気持ちになる。

I’m leavin’ on a jet plane

現在進行形。しかし、これは近未来を表現している。

I don’t know when I’ll be back again

when 節

Oh, babe, I hate to go.

ここでも否定形を使わずに hate を使うことでより強い否定を表現している。

There’s so many times I’ve let you down

There is で自分が彼を傷つけてしまったことを振り返る。

So many times I’ve played around

対句になっていて、語尾は韻を踏んでいる。頭の There’s は省略されている。

I tell you now, they don’t mean a thing

I tell you now で強めている。「〜その人であった」みたいな感じ。

Every place I go, I think of you
Every song I sing, I sing for you

ここも対句。whre や which を省いていると考えたらいいのか(自信ない)。場所、歌を後ろの動詞で説明しながらも、対象を強調している。ここのフレーズも大好きだ。

When I come back, I’ll wear your wedding ring.

もし帰ったなら、結婚してもいいという間柄であったことが示される。

Now the time has come to leave you

もう去る時間が来てしまった。

One more time let me kiss you

time が対になっているが意味が違う。上な時刻で下は回数だ。もちろん対句。ここでも let という使役動詞。

Then close your eyes, and I’ll be on my way.

I’ll be on my way で自律したもの同士が違う道を歩むための別れであることが示される。別れたくない、辛いといいながらもそれを決めた強い意志。人としての強い自立心が伺われる。

Dream about the days to come

願望を示す dream about で、実はあまり期待していないことが分かる。それは諦観のような感情だろう。

When I won’t have to leave alone

have to で必然を伺われる。今の、一人寂しく去ることが必然であると感じているのだ。

About the times, I won’t have to say,

同じことを重ねて述べている。ここでも強い will not が使われている。
全編に流れるのは、寂しい気持ちを抱きながらも、my way を切り拓き突き進む強い意志だ。人としての強い意志に従って、居心地のいい環境から踏み出す強さだ。感情に流されてメソメソしている別れの歌ではない。彼女はおそらく帰らない。道は別れているのだ。それを彼女は分かっていて、「帰ったら結婚したい。そんな日が来たらいいな」と Dreaming なのだ。それを Dream だと知っている。


All my bags are packed, I’m ready to go
I’m standing here outside your door
I hate to wake you up to say goodbye
But the dawn is breakin’, it’s early morn
The taxi’s waiting, he’s blowin’ his horn
Already I’m so lonesome I could cry.

Chorus:
So kiss me and smile for me
Tell me that you’ll wait for me
Hold me like you’ll never let me go.
I’m leavin’ on a jet plane
I don’t know when I’ll be back again
Oh, babe, I hate to go.

There’s so many times I’ve let you down
So many times I’ve played around
I tell you now, they don’t mean a thing
Every place I go, I think of you
Every song I sing, I sing for you
When I come back, I’ll wear your wedding ring.

(Chorus)

Now the time has come to leave you
One more time let me kiss you
Then close your eyes, and I’ll be on my way.
Dream about the days to come
When I won’t have to leave alone
About the times, I won’t have to say,

(Chorus)

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