ソニー損保の生きる道:ソニー“裏の主役”独り勝ち状態

 iPhone 5s のカメラの改善について大きく取り上げられているが、中身は “It’s a SONY” だ。Samsung が iPhone の液晶やCPUの最大サプライヤーであったりするのと同じことだ(A7 チップも Samsung 製であることが判明したらしい(iPhone 5sの「A7」はSamsung製──Chipworksの解析で判明(ITmedia ニュース) – Y!ニュース)。

 ただ、ライバルの売上が伸びれば自社の利益につながる上に、自社にはそれを上回る最新型を提供できるのだから有利なはずなのに、それを活かせないでいる。

 以前から言われていることだが、Apple はゼロから何かを作るということはあまりない。アルミ削り出し函体だって、技術は何十年も前からあった。だれもパソコンやモバイル端末をそれで作ろうと思わなかっただけだ。だれもがそんなふうに使おうと思わなかったものを使って、従来にはなかったものを作った。これが Apple の価値だ。

 要素技術は野球選手にとっての肩のようなものだ。どんなに強い肩を持っていても思った所に投げられなければ意味が無い。更に、ビジネスではストライクゾーンがどこにあるかが明白ではない。ソニーはデジカメの高性能をアピールするのには画素数の多さにストライクゾーンがあると判断し、Apple は受光素子の大きさというストライクゾーンに向かって投げたのだ。ストライクゾーンを見極める力に差があるのではないだろうか。

 ストライクゾーンを教えてもらって、速い球を投げる練習をして、球速で勝てるようになったと思ったらストライクゾーンが変わっていてボールになった。ああ、iPod nano 発売日の Walkman 発表会を思い出す・・・ 

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ソニー“裏の主役”独り勝ち状態 他社よりも高性能、アップルなどに販売
2013.9.11 12:00

 ソニーにはヒット中の商品がある。しかし、一般に販売しているのはソニーではない。電子機器大手の米アップルや韓国のサムスン電子、LG電子といったライバル企業だ。

 その最新の花形商品は、ウォークマンやプレイステーションといったガジェットではなく、ハイエンドなカメラやスマートフォン(高機能携帯電話)のほぼすべてに搭載されているCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサーだ。アップルの「iPhone(アイフォーン)5」や「iPhone4S」、サムスンが力を入れる「Galaxy(ギャラクシー)S4」、LGの「G2」に使用されている。
 ライバルに供給
 高精細スナップショットの撮影が可能な低出力のCMOSセンサー市場は76億ドル(約7566億円)規模。ソニーの同市場でのシェアは約3分の1だ。テレビ事業が9期連続で赤字を記録し、平井一夫社長がエレクトロニクス事業のてこ入れに努めた結果、CMOSからの収入が昨年、推定30%増加した。

 ドイツ銀行(東京)のアナリスト、中根康夫氏は「ソニーは独り勝ちの状態だ。30年間開発に携わっていたため、同社のセンサーは際立って優れている」と説明した。

 音楽プレーヤー用の半導体部品を他のメーカーに供給するなど、ソニーのコンポーネントにライバルが依存するという構造はこれまでにもあった。広報担当の竹田将人氏によると、同社が生産するイメージセンサーの約80%は外販向けだという。

 同社デバイス部門の4~6月期の営業利益は109億円。その大半は、このセンサーによるものだという。民間調査会社テクノ・システム・リサーチによると、イメージセンサーの世界出荷数は今年、25%増の31億4000万個に達する見込みだ。

 ソニーは、納入先や売価については明らかにしていない。アップルのウェブサイトにあるサプライヤー一覧には同社の名前があるが、具体的な製品名については不明だ。ブルームバーグのサプライチェーン分析によると、ソニーはアップルとサムスンのサプライヤーである。

 テクノが、昨年の販売数と収益予想を基に計算したところ、ソニー製センサーの平均単価は7.3ドル。サムスン製の同様のセンサーは1.93ドルと約4分の1だ。

 米調査会社ガートナーによると、スマホ「エクスペリア」のメーカーでもあるソニーは4~6月期、スマホの世界販売が約47%増の2億2500万台と躍進する中、スマホの販売会社としてはベスト5には入らなかった。ベスト3はサムスン、アップル、LGで、約51%を占めている。

 収益改善に貢献

 ソニーの橋谷義典バイスプレジデントは8月1日、業績発表の場で「モバイル製品向けのイメージセンサーの売り上げが大幅に伸びた」と報告。平井氏は昨年4月の社長就任時、「モバイル機器やゲーム、デジタルイメージング(センサーを含む)を重点事業領域と位置付けることで顧客を取り戻すつもりだ」と表明している。

 ソニーのイメージセンサー部門は2004年、従来型の技術からCMOSへ転換することで優位に立った。CMOSが技術を向上させると賭けに出たのだ。同社は当時、他のセンサーが生み出す画質を実現できないでいた。

 当時、同社でイメージング・デバイス・ユニットを統括していた鈴木智行氏は、スマホの需要が急増する前に、処理が高速で省電力、そして高精細画像の撮影を可能にするセンサーを開発することに努めた。鈴木氏は現在、ソフトウエア設計部門を束ねている。

 スマホ「エクスペリアZ」に使用されている最新センサーは、旧モデルよりも小さく、低光量またはバックライトが強い場合でも画像を記録する。

 ソニーは、ニーズに基づいた回路を用いてセンサーをカスタマイズする。SMBC日興証券の調査によると、カスタマイズされたセンサーは、アイフォーン5、同4S、ギャラクシーS4で使用されている。

 同社は10年以降、2200億円を投じて九州にある2工場でセンサーの生産体制を増強している。また、タイにはイメージセンサーの後工程の組み立て工場を構えた。

 テクノの評価によると、センサーからのソニーの収入は11年の18億9000万ドルから12年には24億5000万ドルと増加し、シェアは世界市場の32%を占めるにいたった。後には、米オムニビジョン・テクノロジーズが14.4%、サムスンが12.9%と続く。

 UBS証券のアナリスト、桂竜輔氏は「3580億ドル規模の携帯電話市場の稼ぎ頭であるハイエンド機種の需要の鈍化により、センサーの値下げ圧力がかかるかもしれない」と指摘。

 値下げにより、世界のスマホ市場は今年、年間出荷台数が41%増であるにもかかわらず、収入は22%の増加にとどまるだろう。

 桂氏は「競争が激化するため、ソニーは恐らく、利益を押し上げ、工場の操業を継続するためにもライバル企業へのセンサー供給を継続するだろう。ソニーにとって最も重要なのは、エクスペリアが世界市場で苦戦を強いられているという現実に直面しつつ利益を最大化するということだ」と付け加えた。(ブルームバーグ Mariko Yasu、Grace Huang)

「A7」は韓国Samsung Electronics製「M7」はオランダNXP Semiconductors製(M7上の3軸加速度計は独Bosch Sensortec製、3軸ジャイロスコープはスイスSTMicroelectronics製、電子コンパスは旭化成製)、iSightカメラのモジュールはソニー製、タッチスクリーンコントローラーは米Broadcom製、LTEモデムは米Qualcomm製

iPhone 5sの「A7」はSamsung製──Chipworksの解析で判明ITmedia ニュース 9月21日(土)10時3分配信

 米Appleが9月20日に発売した新端末「iPhone 5s」に搭載されている新プロセッサ「A7」は韓国Samsung Electronics製──。半導体チップや電子機器の解析を手掛ける米Chipworksが発売当日に5sを入手し、分解・解析した結果としてこう報告した。

 同社によると、A7はSamsungの28ナノメートルHKMG(High-K Metal Gate:高誘電率膜・金属ゲート)プロセスで製造されているという。iPhone 5の「A6」はSamsungの32ナノメートルHKMGプロセス製だった。

 A7については、Appleがスマートフォン市場で競合するSamsungを切り、台湾TSMCに製造を委託するとうわさされていた。

 この他、ユーザーの動きを追跡するコプロセッサ「M7」はオランダNXP Semiconductors製(M7上の3軸加速度計は独Bosch Sensortec製、3軸ジャイロスコープはスイスSTMicroelectronics製、電子コンパスは旭化成製)、iSightカメラのモジュールはソニー製、タッチスクリーンコントローラーは米Broadcom製、LTEモデムは米Qualcomm製であることなどが分かった。

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