アップルの電子書籍価格つり上げ、米当局が是正策提示

 Apple は日本市場では安心だろう。出版業界と官僚および官僚あがりの政治家が組んで本の価格統制を行っているから。Apple は日本の既得権者を刺激しない価格付けをして反発を買わないようにしているようだ。というより、単にそのほうが利益が上がるからだろうが・・・

 これは本だけでなく音楽もそうだ。日米ともに売っている曲でも日本とアメリカとでは価格が違うのもこのためだろう。Apple としては既得権者と同じ価格で売れて競争がないのは美味しいだろう。

 音楽については iTunes がプライスリーダーなのでほぼ横並びで日本人はアメリカ人よりかなり高い価格で音楽データを購入している。しかし、本については Kindle store が孤軍奮闘で紙版の本より低い価格付けをしているので、iTunes の本の売上は思わしくないだろう。というより、価格的に完全に Kindle store に負けている。だけでなく、iTunes の電子書籍は日本の後続サービスのそれと同等かそれより高い。

 自分としては、iBooks のほうが Kindle for iOS より読みやすいので好きだが、30%近い価格差を覆すほどではない。

アップルの電子書籍価格つり上げ、米当局が是正策提示 (ロイター) – Yahoo!ニュース BUSINESS
[ニューヨーク 2日 ロイター] – 米アップル<AAPL.O>が電子書籍の販売で価格をつり上げていたとされる問題で、司法省と33州・領土の規制当局は2日、是正策を提示した。共謀したとされる出版社との契約打ち切りなどが柱。

司法省が反トラスト法(独占禁止)違反で訴えていた裁判で、マンハッタン連邦地裁は7月、アップルが同法に違反したとの判断を下した。

共謀したとされるラガルデール<LAGA.PA>傘下のアシェット・ブック・グループ、ニューズ・コーポレーション<NWSA.O>傘下のハーパーコリンズ・パブリッシャーズ、ピアソン<PSON.L>傘下のペンギン・グループ(米国部門)、CBS<CBS.N>傘下のサイモン・アンド・シュスター、マクミランの出版大手5社はいずれも当局と和解している。

是正策ではアップルに対し、5社との既存契約の打ち切りを求めたほか、電子書籍や映画、音楽、テレビ番組などのコンテンツを「iPad(アイパッド)」や「iPhone(アイフォーン)」向けに提供する会社との間で、価格上昇につながりかねない契約を結ぶことを禁止する。

また、消費者が価格を比較しやすいよう、オンライン小売り大手アマゾン・ドットコム<AMZN.O>や米書店チェーン、バーンズ・アンド・ノーブル<BKS.N>などの小売業者が2年間、リンクを提供できるようアップルに対応を求めた。

さらに、社内の反トラスト法順守担当者をフルタイムで採用するとともに、裁判所指定の外部監査を導入することで、未然に違法行為を発見できるようにすることも提案している。

一連の提案は反トラスト法違反の判断を下したコーテ判事の承認を得る必要がある。

是正策に関する審問は8月9日に予定され、その後、損害賠償をめぐる裁判が始まる可能性がある。

司法省の反トラスト部門責任者、ビル・ベアー氏は提案について「アップルの違法行為をやめさせ、アップルや幹部による競争阻害目的での共謀を防ぐ」と述べた。

政府当局者は、是正策によりアップルは「広範囲にわたる(反トラスト法)軽視」を考慮し、電子書籍市場で「法に従って積極的に」競争することになるとの見方を示した。

アップル側から現時点でコメントは得られていない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です