podcast Woodstream 第195回 都合の悪い真実を語るものはアンチ?

 今回の 第195回 超小型PC NUCとは?(2013/7/14配信)の冒頭の「Surface RT の値下げに対するアンチマイクロソフトの反応」批判は的はずれだった。ここでも Surface RT が失敗だったのではないかと書いているが、マイクロソフトと叩きたくて書いたわけではない。発売前から気になっていたものについて、発売後に興味深い結果が出たから書くだけだ。

 「高い高いと批判しておきながら、値下げしたら『叩き売り』って」というのもピンぼけだ。何をやっても批判するアンチ発言として考えているのかもしれないが、「高い」という当初価格への評価と値下げを「叩き売り」という評価は全く矛盾していない。時系列だからだ。「(発売時)高過ぎる>期間限定値下げ>価格改定(叩き売り)」だ。「高い値段で売りだしたものの売れないので安くした」というのだから「叩き売り(ここでは在庫処分と書いたか)」と言われてもしょうがないだろう。マイクロソフトの社長の「売れている」というメッセージに対する違和感が根底にあるのだ。色んな所で売れ行きが続出しオークションで定価より高い売価で取引されているようなものが値段を下げたのなら「戦略的価格」として捉えられただろう。

 木沢さんはマイクロソフトの社長の「予想以上に売れている」という言葉を真に受けていて、木沢さんがアンチマイクロソフトと呼ぶ人たちはそう思っていないということだろう。自分は後者だ。「予想以上に売れている」製品を値下げキャンペーンを打ったり、売上数量を一回も言わなかったりするなどということはないと思うからだ。Galaxy S4 や iPhone 5 を発売したときに Samsung や Apple は最短で x00 万台達成といった数字を出す。Surface RT からはただの一度も売上数量が公式で発表されていない。

 自分の選択(木沢さんは値下げ前の価格で購入されている)が誤りだったことを認めたくないという心理は誰でもあるが、否定的な意見をいう人間を「アンチ」と呼ぶのは間違いだと思う。Surface pro と Surface RT に対する評価の違いを考えれば、市場がどう評価しているか分かるだろう。pro を買う人は多くても RT を買う人はほとんどいないのだ。下の記事を書いているライターは Surface pro を絶賛していることから「アンチマイクロソフト」ではないと思われるが、彼ですら「RT はダメ製品」と書いているのだ。

 本題の NUC については全く興味が無いので完全に聞き流し。

Surface RTが値下げ―こういうニッチ・ハードウェアは成功しそうにない | TechCrunch Japan

私はSurface Proの大ファンだ。今まで使ったなかで最高のWindowsマシンだと思うし、持ち歩いて使うのが非常に楽しい。一方でSurfaceRTはダメ製品の典型だと思う。

今回、RTはすこし安いダメ製品になった。

この日曜日、Nvidia Tegra 3O搭載のRTが150ドル値下げされて349ドルになった。Windows 8で走るソフトのごく一部しかRTでは走らないのでそのリストは短い。Surface Proは900ドルから1000ドルの価格帯で変わりなし。

RTには今後QualcommのCPUが搭載され、LTE接続もサポートされるようだ。しかし価格の推移を見る限り、Proのセールスは好調だがRTは苦闘しているようだ。

ニッチのハードウェアにもチャンスはある。OS XはiOSと、AndroidはChrome OSと共存できる。これらのOSの間には明確な役割分担があるからだ。しかしRTというのはWindowsの機能制限版、いわばWindows Liteで、ほとんどのユーザーにとって受け入れがたい製品だ。

Windows PhoneベースのタブレットならWindows 8と共存することは可能だろう。しかしRTはそのブランド戦略と機能、ことにWindows 8との互換性の欠如という問題のせいで多くの消費者に受け入れにくいものとなっていると思う。

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