iOS 7 は「ここ10年で最大の悪夢」となるのか?

 最終製品を見ないとわからないが、下のエントリには頷けることが多かった。「ユーザビリティを無視したデザイン変更」という意味では、前にとりあげた、Yahoo! Japan のトップページのリンクボタンもそうだ。絵なのかリンクボタンなのか全然わからない。そうやって情報をそぎ落とすことで他の情報が際立つとか見やすくなるとかがあればともかく、全然無い。単に情報が減ってボタンとわかりにくくなったこと以外、デザイナーの自己満足くらいしか得るものがない。

 操作に対するヒントを明示することは UI の基本だんじゃないのか。カッコ悪くてもいいから、一目瞭然で何をどうすればいいのか分かるデザインのほうが「良いデザイン」だと思う。事前に知識がないと操作できない DOS 機に対するアンチテーゼとして Macintosh が生まれたのに、それを自らが否定するような変更には残念だ。まあ、OS X 以降は UI は見栄え重視で使いにくくなったところも多々あるので、その延長上かも知れないが・・・

 iOS 7: ここ10年で最大の悪夢 | Ticking Point
ロック画面の “Slide to Unlock” や、そのときに着信すると表示される “Slide to answer” には、iOS 6時代には凹みの左端に右向き矢印のブロックがあって、何をスライドすればいいのか簡単に理解出来た。一方iOS 7では “Slide to Answer” という文字以外に何も表示されない。

どこをどうスライドさせろっていうんだ。「もうiOSの使い方は分かってるだろ」か? ふざけるなそんなのデザインじゃない。そんなにユーザは使い方を分かってるというなら、iOS 8では画面を真っ暗にして手探りで操作させろ。得意の「3歳児」も今と変わらず操作出来るだろうよ。元から何も分かってないんだからな。

「複雑性のなかに秩序をもたらす (bringing order to complexity)」とかいう曖昧な理念はどうでもいい。そのノリでくだらない会社のスローガンでも作ったらどうだ。結局のところ新しいデザインで何が改善される? 新しい「無意味な装飾」を生み出しただけじゃないか。しかも今回は深刻なユーザビリティの低下と一緒に。上の記事でiOS 6以前を「機能性の追求よりも売上の追求を優先した」デザインだと書いてるけど、それはiOS 7のほうだろ? 流行に取り残されない/ユーザを飽きさせないために行われた小手先のデザイン変更だよ。

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