誰得? (iPhone 4S 狂騒曲)

 ソフトバンクはauがiPhone販売に参入することで、auからの移籍が減る可能性が高い。docomoからの移籍も一部は減るだろう。

 短期的に見ればこれは大きな痛手だろう。そのために、ソフトバンクは既存iPhoneユーザに対して引き止め工作を行っている(縛りが切れたり切れかかっている3Gユーザへの割引)。それだけにとどまらず、ネガティブキャンペーンkoまで展開する始末だ。ソフトバンクがかなりの危機感を持っている証拠だろう。

 しかし、長期的に見ればメリットもあるのではないかと思う。au からiPhoneが販売されることで iPhone を購入するユーザには選択肢が現れた。今後、iPhone を使うユーザは自分の意志でキャリアを選んだということになる。ということは、プランや端末料金、回線の品質などを勘案して自分にとって総合的に良いと思えるキャリアを選んだのだ。

キャリア GOOD BAD
SBM パケット料金、理論回線速度 カバー範囲、混雑による実効速度の低さ
au カバーエリア、周波数帯 パケット料金、理論回線速度、データ通信と通話の同時使用不可

 人は、押しつけられたものに対して反発する。これまで、ソフトバンクが叩かれたのは、iPhoneを使いたいためだけにいやいやソフトバンクと契約していたという意識があるからだ。今後、上の表のどちらを選ぶかを自分で決めたうえで契約をしたら、回線品質に対する不満の声も弱くなるだろう。安かろう・悪かろうは as is サービスの常で、そちらを選んだのだから。

 これからは、純粋に回線サービスのレベルと価格で比較される。これは、消費者にとって大きなメリットだしソフトバンクにとってもメリットと言えるだろう。

※CDMA2000がデータ通信中に着信があった時にデータ通信が止まることについて、ネガティブキャンペーンで叩いているが、これまでだって au は android 端末だってガラケーだって同じ仕様だった。端末の仕様ではなく回線の仕様だ。これまで au の android 端末やガラケーの時に批判しなかったことを今頃(CDMA2000になって数年経つ)批判するのはおかしい。これまで、au の回線を使っているからといって、株の取り引きやオークションで失敗したなんて話は聞いたことがない。

※ソフトバンクの批判に対して au は実効速度はうちのほうが速いと訴え始めた。これについては、両キャリアの iPhone 4S ユーザによる実証を待ちたい。恐らく、すぐにでも同じところで別キャリアによる回線の検証は始まるだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です