引越しにまつわるトラウマ(ひいきびいき)

 ひいきびいき(#hkbk)の引越し回面白かった。初めての独り暮らしに興奮するはるかさんは可愛らしかった。

 ちょうど、息子が独り暮らしを始める所で、部屋探しと引越しを手伝ったばかりなので共感が強かったのかもしれない。まあ、2年前もそうだったが、全く時間的な余裕が無い中での部屋探しで、一日で決めなければならなかったし、引越しも荷物が少ないのをいいことに自分車で運んだので、とてもじゃないが、楽しむようなどなかった。というより、平日に自分で探しにゆけば納得するものが見つけられたかもしれないのに、全く動かずに親まかせにした挙句、契約した部屋に不満を漏らす息子に、「もう、二度とお前の部屋探しも引越しも手伝わん」と宣言するに至ったほどコリゴリだった。

 自分は転居自体には抵抗はないが、家探しと引越しは大嫌いだ。独り暮らしの頃の引越しの時のプレッシャーが今でも残っていて、夢に出てきてうなされることが有る。先日の息子の引越しが引き金となったのか、このところ何回も引っ越しの夢でうなされた。引っ越しの夢のパターンはほぼ決まっていて、引越しの朝になっているのに荷物の準備が全然できていないというものだ。バリエーションとして、荷物を持っていった先が手違いで人が住んでいたりというものも有る。

 引越しして荷物が入って寝る所が確保できた後は楽しい。知らない町をうろついたり、通勤・通学経路を探索したりは楽しい。数ヶ月間は新しい発見が続く。

 息子は今回京都市に引越しだから自分には羨ましい。息子は不満らしいが、自分の感覚からすれば独身であの部屋なら贅沢なくらいに思えるほどだ。自分は学生時代は水場やトイレは共同が普通だったし、風呂もなかった。そういうものだと思っていた。

 羨ましいのは部屋だけではなく、京都市という場所が羨ましい。京都市は特別だ。繁華街やオフィス街、観光地、居住地が隣接している。オフィス街のすぐ後ろに歴史のあるお寺があったり、一般の住宅がオフィス街から徒歩で行ける範囲にあったりする。こういったものが渾然一体となっているのが京都だ。若い学生や外人の観光客が普通のおばちゃんが買い物をする商店街を行き来する。高校生が二条城の外堀をランニングしたり、小中学生が寺の境内を通学路にしていたりする。前に息子が住んでいた場所から50mくらいしか離れていない所に、平安京大極殿跡という石碑があった。平安時代に紫式部や清少納言が生活していた場所だ!

 東京にしても、大阪にしても、ビジネス街や商業地帯は高度に発達しているが規模が大きすぎて独立して存在しているようにしか思えない。マンション等が中心地の近くにあっても、生活の匂いを感じさせない。

 息子が京都に住んでくれたおかげで、また、京都とのつながりが出来たようで嬉しい。やはり、観光客として通過するのではなく、そこに住んでいる人間(家族が住んでいるだけだが)としているのは違う。観光客はどこまで行っても観光客だ。ガイドブックで観光地や施設を知っていても地元に住んでいる経験とは別物だ。

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5676124920_e5c5b12344_z 二年前に、息子が住んでいた部屋を引き払う前に、数日間泊まって京都市内を自転車で走り回った時のことを忘れられない。iPhone のアプリとマップだけを頼りに行き当たりばったりでメジャーどころからマイナーまで見境無く訪れた。ハイライトは、全く事前に知らなかった伝道院の「発見」だった。堀川通を駅に向かって自転車で走っていて、東本願寺の前の信号に止まった時、ふと左を見ると明治時代の煉瓦建築が見えた。二階建ての木造瓦葺き家屋(東本願寺の前ということで商店は多いが)が並ぶ中にそれがあった。こんな出会いがあるのが京都市だ。

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