シリコンオーディオ販売ランキング

シリコンオーディオ販売ランキング(2月28日〜3月6日)
高付加価値化のステージに入り始めたポータブルプレーヤー
 新型iPod mini(4Gバイト)が先週の2位から1位にランクアップ、先週1位だったRio Su10(256Mバイト)は2位に後退した。その他の顔ぶれは既におなじみの機種がほとんどだが、ソニーのNW-HD3とクリエイティブメディアの CMVN200256(MuVo MICRO N200)が久々にランクインを果たしている。

 これまで、ここの調査でやけにiRiverが善戦していると思っていたら、「この記事では、マーケティング会社GfK Japan調べによる全国3500店舗の量販店(家電量販店、カメラ販売店、PC専門店)のPOSデータを集計し、モデル別のランキングで紹介しています」と小さく書いてあった。

 「全国3500店舗」というのは3500社という意味ではない。チェーン店の場合は一社で支店の数だけ数えた数字だ。つまり、全国の売り上げじゃないということだ。この調査、amazonとかAppleの直販系(Apple store や通販)の数字が入っていないんじゃないだろうか。iPodシリーズはこれらの比率が非常に高いはずだ。特にshuffleはこの対象期間には一般家電品には供給されていなかったはずだから、3月1日のamazonによる大量出荷は含まれていない。

 俺の狭い生活範囲の中でも、iPod単体(モデルバリエーションはあるが)で、携帯オーディオプレーヤーの何割かを占めているのがわかる。iPod のヘッドフォンをしている人の割合でしかないが、まったくの新興勢力が短期間にこれだけの割合の実使用者を占めるには、相当高率な売り上げ比率でなければならないはずだ。もちろん、iRiverユーザーも増えてはいるんだろうが、見分けのつかないその他大勢の一部でしかない。とても、iPodと売り上げを競っているとは感じられない。この調査の対象にamazonやAppleが含まれていないとしたら、調査と街で感じるユーザー比率の違和感が理解できる。

 話はそれるが、こういうカウント方法には注意が必要だ。「全国3500の店舗」というのは、決して正確な消費性向の調査にはならない。大手チェーンがたまたまキャンペーンを打ったとか、そのチェーンで扱っていない商品があったりしたら、簡単に影響を受けてしまうからだ。

 そして、こういうルート販売を得意とするプッシュ型のマーケティング(仕切値を下げたり、バックマージンを出したりする方法)を行う会社が、本来より高い数字を出すことが多い。逆に、直販系のメーカーは全然顔を出さなかったりもする。極端な例がDELLだろう。

 マスコミは、小さな注釈で書くのではなく、記事でも言及すべきだろう。これは、註釈があるだけマシな記事なのかもしれないが。

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