Apple のこだわりに見る、日本ブランドPCの弱点

sleeping_MBP MacBook Pro のスリーピング表示LED。この写真からは分からないが、スリープ中にゆっくりと点滅する。その点滅もLEDにありがちな明滅ではなくホタルの光のように呼吸するかのように明滅する。

 これは、iMac の電源ボタンに初めて現れたものだ。ブラウン管のトランスルーセントのボディで前面の電源ボタンも半透明のボタンだったので裏からのランプがスリープ時に光っておしゃれだった。iMac 2007 になってからは電源ボタンが背面に移りスリープを示すランプも着いていない。もう、Apple はこんなものを付けるのはやめたんだと思っていた。

 昨晩、娘のMBPを見たら、前面に小さなLEDが点滅していた。それも、例のホタルのような控えめな感じでだ。WindowsPC には充電やドライブアクセスなどを示すLEDなどが沢山付いている(物が多い)。ところが Mac にはそういうものが全くない。にも関わらず、わざわざ、スリープを示すLEDや背面のりんごマークを光らせたりする。こういう演出が Apple らしいんだよなぁ・・・

20120228084849709 これは、iMac 2007 の底面にあるメモリカバー。iMac は本体を縦にして、暖められた空気の流れを利用して冷却するために下と上に穴がある、マザーボードの設計上下に配置された拡張メモリのフタに穴を開けたのもそのため。

 しかし、こんなところプラスチック製のフタでも良さそうなのに、アルミのこんな複雑な形状のものを付けるのが Apple cool なのだろう。力がかかるわけでもないし、すのこ状のプラスチックでいいところなのに、アルミキャストを使っている。穴はドリル加工か型なのか分からないくらいの精度だ。

 ネジの頭がフラットになる皿ネジでネジ穴との精度の高さを伺わせる。ネジ穴が崩れているのは、ドライバーを取ってくるのが面倒で手元にあったドライバーで回して舐めそうになった痕跡(^^;


20120228084849342 ネジを外したときにネジがフタから外れないようにワッシャ止めしてある。ネジをなくさない配慮。

 日本のモノづくりの心とか職人とかいうけど、日本メーカーの製品にここまで細部にこだわって作ったものは少ない(というか自分は見た記憶が無い)。プラスチックとか板金とかで力でたわませて付けるようなものばかりだ(NEC PC 9801 Xa)、東芝のノートPC。社給PCの背面を見たらネジだらけで、そのネジもiMacのようなものではなく普通のネジを穴に埋めてるだけのようなものばかりだ。こういうところから負けていることを経営レベルが知らないのだろう。

 問題なのは、Apple に負けているだけではなく、Windows PC 界のなかでも勝ててないという現実を直視していないことだ。同じOS、同じ要素技術で比較されるんだから、技術やセンスが如実に現れてしまうのだ。

 ただ、Windows がコモディティ化してしまったという現実は有る。100円ショップで買うボールペンに書き味や質感は期待しない。Windows PC は生活の一部で必需品だがモノとして愛着を持つ対象ではなくなってしまっているので、作りこんでコストが掛かったときに価格に転嫁できないのかもしれない。同じ機能・性能なら細部にこだわった高価なものより低品質の安価な製品をユーザが選んでしまう市場では Apple のようなことは、技術的に可能であっても、できない可能性はある。

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