チャレンジャーがまた消える<

 真っ向からインテルに挑んだ無謀なチャレンジャー。現代の愛すべきドン・キホーテが再建しなければならなくなったらしい。

 セグウェイのように謎に包まれた発表。気を持たせる足跡だけのホームページ。LINUXの産みの親であるリーナス氏の参画。独特な発想によるプロセッサ。ベンチャーの夢の塊のような企業だった。

 残念なことに、製品のリリースが後手後手に回り、インテルに挽回のチャンスを与えてしまった。省電力が苦手だったインテルが広告でうまく消費者を煙に巻き、時間稼ぎしている間に製品群をアップデートできなかったのが敗因だ。

 後、モバイルユーザーとて、大半はAC電源で使っているということも予想外だったのだろう。モバイルPCといえど、大半の使用時間を占めるAC接続状態でのパフォーマンスが不十分では納得は得られなかった。本当に5時間使える省エネプロセッサより、電池モードにしたとたん速度は落ちるし電池も持たない「省電力プロセッサ」が好まれたのだ。

 Transmetaの技術ヲタが考えるほど、モバイルPCユーザーのモバイル度は高くなく、インテルの胡散臭い広告の裏側を見破れるほど熟してもいなかったのだろう。

ITmediaニュース:Transmeta、再建計画を発表

Transmeta、再建計画を発表
Transmetaは知的財産と技術のライセンス事業に焦点を絞った再建計画を発表。同時に業界大手との交渉も進めているという。

 事業不振で身売り説も出ている米Transmetaが1月21日、再建計画を発表した。プロセッサの開発と販売を中心とした現行のビジネスモデルを見直し、知的財産と技術のライセンス事業に焦点を絞る方針。同時に業界大手との交渉も進めているという。

 Transmetaの終焉は、Netscapeの時のような一抹の寂しさを感じさせる。どちらにも、なんら経済的な貢献はしていない只のウォッチャーだが・・・

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