カブの整備 その1

 娘は通勤に最寄り駅までリトル・カブを使っている。2008年に買ったときは 5,700km くらいだった。今では 20,000km も目前となった。しかし、この間一度もメンテナンスと呼べるようなものをしなかった。昔は SR400sp や XT250T、YZ125(’83) のメンテナンスは全部自分でやっていたのに。メンテしとかんといかんなあと思っていたが、近くのバイク屋が閉店してしまい、近所にはHONDAやYAMAHA のロゴの看板のあるショップは無くなってしまった。残っているのは胡散臭い感じのスクーター屋と自転車屋がついでに原付だけ扱っているというようなところだけだ。

 一度、チェーンを張ろうとしたが手持ちの工具では回せない大きさのナットに阻まれて放置した(チェーンの給油は何回かやっていたが、フルカバーがついているので、錆びついたりしていないことは辛うじて確認していが)。

 タフで有名なカブだが、さすがに厳しいだろうと思い、重い腰を上げたのが先週。ホームセンターでエンジンオイルを買ったが、雨が降っていたので作業できなかった。作業ができなかったので Amazon でチェーンと前後のスプロケット、前後のブレーキシュー、ヘルメット(シールドを固定するパーツが壊れていたので)を発注した。今日、ホームセンターで自動車のホイールナットを回すための十字レンチに23mmがついているのを発見して購入(単体の 23mm のめがねレンチより安かった)。作業に取り掛かった。

 十字レンチの威力は十分で懸案だったなっとはあっさりと回ってくれた。これを確認してから作業に取り掛かった。

 まず、簡単そうな前輪のブレーキシューの交換をしようとしたが、開けてみたらほとんど減っていなかったので、とりあえず保留した。交換は簡単にできるので、タイヤを交換するときにまとめてやるつもり。

 次にリアに取り掛かった。ナットは簡単に外れたが、マフラーが干渉してアクスルシャフトが抜けない。マフラーを外すか迷ったが、サスペンションを外すことで解決した。アクスルシャフトが抜ければ後はドラムブレーキのシュー交換の手順でいける。ブレーキ、ブレーキの空回り留めの取り外しは狭い所にあって面倒だが作業自体は簡単。こちらも意外にもブレーキシューはあまり減っていなかったが、タッチがおかしくなっていたので交換した。気休めにカム類にグリスを塗って組み上げた。

 スプロケットの交換も考えたが、前のスプロケットのカバーを止めているネジを手持ちの工具では外せそうに無いので、チェーンとスプロケットの交換は諦めた。後輪だけなら簡単(ここまできていれば)だが、古いチェーンに削られてしまうと新しいチェーンにした時に馴染まなくなるので、セットで交換したいから。で、そのまま後輪、空回り留め、ブレーキ、サスペンションを組み上げてチェーンに給油、張りの調整をしてリア周り完了。と、思いきや、その後のチェーンカバーの取り付けでタイムロス。一本だけ長いボルトが使われていたのを知らずにいてまごついたり、カバーがはまらなくて試行錯誤したりでカバーの取り付けだけで15分位かかった。

 最後はオイル交換。ドレンボルトを探すがカバーに隠れていて手持ちのレンチでは回せそうにない(ソケットレンチで回せたかもしれないことにあとで気づいたが)ので、エンジンガードを外すことにした。エンジンガードはカブの特徴のカウリング(というのか?)と共締めになっていた。後部はステップの棒に引っ掛けるようになっているらしかったが、外せなかった。が、そのまま後部を支点にして下に回すことができたのでこのまま作業することにした。

 オイル吸着を下においてドレンボルトを回すとドバっと真っ黒なオイルが右手にかかってくると覚悟をしてドレンボルトを抜いた。真っ黒な液体が出てきたのは予想通りだったが、勢いが弱い。交換時のオイル量は650ccなので、それくらいの量が出てくるはずなのに、とてもそんな量が出たようには見えない。エンジンが冷えているからかもと思い少しアイドリングで回してみたが大して効果はない。ということは、漏れるか燃えるかして残り僅かになるまで減っていたということか・・・片道 4km 程度しか乗らないので、熱的には問題はなかっただろうが、このまま放置していたら、バルブやクランクが焼きつくところだった。

 とりあえず、流れが止まったところで650cc のオイルを入れたら全部入った。ということは、やはりエンジン内に残っていたのは100〜200ccだったということだろう。とにかく、調子が悪くなる前に気づいたのは幸いだった。オイルは3l以上残っているので、1年に一回くらいは交換しよう。

 時間がかかった。試行錯誤の時間が長かったというのもあるが、工数自体が多いことが直接的に作業の長時間化につながる。また、使われているネジのサイズにも戸惑った。23mmのナットなど、400cc のロードバイクにも使われてなかった。しかも、カブのリアのアクスルシャフトの固定は独特で、2つのナットで止めるようになっている。一つはアクスルで23mmのものが独立で何を固定しているのか良くわからない。というか、別々に固定しなければならない理由がわからない。自転車をメンテするようになった時に15mmのスパナが必要になり疑問を感じたが、カブでは23mmがそれだった。

 試走した感じでは明らかに快調になった。エンジン自体は前から快調だったから差は感じなかったが、チェーンの遊びの調整は大きい。株の場合は遠心力クラッチで変速するので遊びが大きくなると変速のショックも大きくなる。これを解消できただけで体感的には随分調子良くなったと感じる。後、リアのブレーキシューの交換もタッチが良くなったような気がする。これまで、カックンブレーキの典型のような聞き味だったが普通のブレーキになった。

 タイヤとチェーン、スプロケットは限界を超えているのでタイヤを調達して交換したい(チェーンとスプロケットは調達済)。タイヤは摩耗が進んでいるのではなく経年劣化によるひび割れが多く発生しているから。カブのタイヤっていくら位するんやろ・・・

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