トレーニングログ Black Monday / Wellcome Withings Good bye omron

 Wi-Fi で計測データをクラウドに投げてくれる体組成計を購入した。最初からこれを買っておけば良かった。オムロン HBF254 を買ったのは完全に失敗だった。Wi-Fi でつながるというだけではない差があった。

開梱

photo Withings and Omron
左が Withings body 右がオムロン 254c。幅は大差ないが縦がほぼ倍だ。
 入っているのは本体とカーペット用のアタッチメント、日本語がおかしい説明書、保証書だけ。ボタンは裏面に一つあるだけで、操作するためのインターフェースは一切ない。

 設定はすべて Bluetooth で接続したスマートフォンから行う。指示に従って進むだけで設定は終わる。事前にアカウントを作っておくとさらに楽になるだろう。


Withins power on screen 盲点だったのはWi-Fi。自分は iPhone を 5GHz 帯で繋げている。Withings body は 2.5GHz 帯専用なのでそのままではつながらなかった。手動で 2.5GHz 帯の設定を行う必要があった。普段から 2.5GHz 帯を使っている分には問題はない。一番時間がかかったのは 2.5 GHz 帯の SSID と暗号化キーを調べることだったがwww

 Wi-Fiの設定が完了すると自動的にファームウェアのアップデートが行われた。ADSL回線で 5 分くらいかかった(容量は分からない)。

設定

 アプリのアカウントを作るときに入力したユーザーのプロファイル(性別・年齢・身長)が自動的に体組成計にロードされる。家族などで使う場合にはアプリ(またはウェブサイト)でユーザーを追加する(最大8人)。

 計測時に本体に表示されることはアプリで設定できる。地域を登録すればその地域の天気予報が表示される(デフォルトでは東京だった)。地域の情報は体重計の補正にも使われているかもしれないので東京以外の地域に住んでいる人は、天気予報を見るか見ないかによらず、設定しておいたほうがいいだろう。

機能

 機能については標準的な体組成計だ。体重、体脂肪率、水分率、筋肉量、骨量を測定できる。ネットワークと繋がっているので天気予報も表示される。また、フィットネス・トラッカーやiPhoneで歩数をカウントしている場合には昨日の歩数も表示される。

 ネットワークにつながっていることを実感する。オムロンの HBF254 が iPhone にデータを渡すことしかできなかったのと雲泥の差だ。

 測定は 10 秒程度。HBF254 よりは長いがストレスが溜まるほどではない。HBF254 の場合には、HBF254の通信ボタンを押す、iPhone のスリープ解除、アプリ起動、転送ボタンタップ、10秒程度待機、完了ボタンタップという手順を踏まなければデータを取り込めない。しかも、オムロンアプリ(わたしムーブ)は他のサービスとの連携ができないので、体重と体脂肪率を覚えて他のアプリに手入力しなければならない。これらが一切なくなったのだから効果は絶大だ。

 懸念の体脂肪率については後で検証する。

アプリ

withings icon これがないと始まらない。iOS のヘルスケアとも正式に対応しているので、体重を測るだけで自動的にヘルスケアと連携するアプリ・サービスの体重、体脂肪率の値も更新される。


graphic withins&others Pebble でカウントした歩数や Runkeeper で取ったランニングログを確認することが出来る。ここでもつながっていることを実感させられる。

ウェブサービス

withings web new functions オムロンはやめてしまうが、Withings ではウェブサービスもアップデートを継続しているらしい。Fitbit のダッシュボードには及ばないがオムロンやタニタのウェブサイトとは比較にならない。

 デバイス、アプリ、ウェブページ全てが一つの方向に向かっていることが実感できる。これら全てが UX を形作るのだ。オムロンを使っている時には一切感じられなかったことだ。Wi-Fi接続だから出来ることもあるが、Bluetooth 経由でもっともっと上手くやることだってできる。計測に必要な時間を努力して削ることも重要だが、それだけではダメなのだ。体組成計の価値が単体で評価される時代はとっくに終わっている。

 体組成計メーカーは体組成計メーカーとだけ戦っているのではない。フィットネス・トラッカーやスマートウォッチメーカーやハードウェアを持たない純粋なサービス提供の Runkeeper や STRAVA のようなサービスプロバイダ、Apple や Google などのプラットフォームオーナーなどが入り混じって合従連衡を繰り広げる春秋戦国時代の様相を呈しているのが今のヘルスケアサポート市場だ。

 残念ながら日本メーカーは完全に蚊帳の外だ。目先の技術を磨くことや、囲い込みをしているうちに完全に袋小路に陥って周りが見えなくなってしまっている。「オムロンは要素技術を持っていて、IoTで覇権を握るべく突き進んでいる」とかいう話を耳にしたが、せっかく持っているユーザー・アカウントや過去のログを手渡してしまっているようでは無理だろう。自社のデバイスをつなげるのではなく、ユーザが持っている他のネットワークデバイスやサービスとつながるものを提供することこそが重要なのに、それが全然分かってないオムロンがIoTを標榜しても欲しくないものを作るだけだろう。