さすが Microsoft : 「好調」Surface RT を値下げ(在庫処分www)

 あちこちに滲み出る負け惜しみが切ない。「Surface RTの販売数などは明らかにしていないが、ソーシャルメディア上で販売意欲を示すコメントが競合製品より多いことや、量販店で、Surface専用テーブルの展開が続いていることなどを、好調の“証拠”としてあげる」って、こんなもん全然証拠じゃない。ここで散々 Surface RT について取り上げたけど、買ってないし、ここを読んでいる人も買ってないだろう。ソーシャルディアの評判なんてそんなもんだ。定点観測している Edion JR 尼崎店(ミドリ電化の本店だったところ)にもテーブルはあるが 50cm 四方のテーブルで iPad の数分の一以下だ。しかも、iPad は大きな Apple ブースの一角であるのに対し、Surface は通路に面した棚一区画分で、他社の Windows 8 とかと同じ並びでしかない。(因みに触っている人を見たことがない)。

 後、残念なのは「『RTはクリアに、iPad対抗製品。そちらに注力した価格設定だ』――樋口社長は会見でこう述べ、集まった報道陣にiPad各モデルとの価格比較表を提示。“iPad対抗”を強く印象付けた。」という樋口社長の認識だ。ここでは繰り返し書いたが、Surface RT の敵は iPad や Android タブレット機ではなく。廉価版の Windows ノートPCだ。

 「樋口社長はSurfaceについて、『キーボードが付いていてUSB端子を備え、Officeが持てるのは、ものすごいバリュー』と改めてアピール。『これで3万9800円ということにまず飛びついていただきたい』と話す。」というのは明らかにおかしい。2つ目の発言で「これで」と言うと前の「キーボードが付いていてUSB端子を備え、Officeが持てる」という仕様を指していると思ってしまう。しかし、「これ」は 39,800円ではなく 47,800円だ。別売オプションを仕様の一部のようにアピールし価格を説明するときにはオプション抜きというのは質が悪い。

 これらを見ていると、樋口社長という人の誠実さに疑問を持ってしまう。

 ただし、戦略として、このタイミングで値下げしたのは正しいと思う。値下げをすれば Windows ノートPC に対して割安感を演出できるからだ。これで iPad や NEXUS、Kindle の売上が影響を受けるとは思えないが、少しは販売量の増加につながる可能性はある。

 さらに、実質終わった製品(Microsoft自らがとどめを刺した)の在庫を情弱に売りつけて処分できる。期間限定にしているが、期間が終わって価格が元に戻ったら売上はほぼゼロになるだろう。そうなってもいいようにこの期間中に売り切ってしまうという戦略だろう。

 Surface RT を通常価格で買った人がここまでに価格差を納得できるほど使い込んで楽しんでいればいいが、「買ってはみたものの、あんまり使ってないなぁ」という人は後悔が芽生えるかもしれない。登録者限定でアクセサリー割引とかノベルティ送付とかでサポートをすれば Microsoft への忠誠を高められるだろう。

「iPad値上げはチャンス」 「好調」のSurface RT、あえて値下げした理由 – ITmedia ニュース

 「iPadが値上げはチャンス。あっちが値上げするなら、こっちは下げようかなと」――日本マイクロソフトの樋口泰行社長は6月13日に開いた会見で、「Surface RT」の期間限定値下げを決めた背景について、ライバルAppleの名を挙げてこう話した。Surface RTの販売は「予想を超えるほど好調」だが、同社はタブレット市場では後発。ボーナス商戦に合わせて買い得感を演出し、一気にシェアを拡大したいという。

 Surface RTは、タブレット用OS「Windows RT」を搭載した10.6インチタブレット。価格は32Gバイト版が4万9800円、64Gバイト版が5万7800円だったが、それぞれ1万円値下げし、3万9800円、4万7800円とする。値下げは7月14日までの期間限定。

モデル 通常価格 限定価格 備考
Surface RT 32GB 49,800 39,800 KB無し
Surface RT 64GB 57,800 47,800 KB無し
Surface RT 32GB+タッチカバー 57,800 47,800 KB有り
Surface RT 64GB+タッチカバー 65,800 55,800 KB有り

値下げは「クリアに、iPad対抗」
 「RTはクリアに、iPad対抗製品。そちらに注力した価格設定だ」――樋口社長は会見でこう述べ、集まった報道陣にiPad各モデルとの価格比較表を提示。“iPad対抗”を強く印象付けた。
surface-ipad

 Surface値下げのきっかけは、円安の影響でAppleがiPadを値上げしたこと。「あっちが値上げするなら、こっちは下げようかなと。これをチャンスととらえて急遽、ボーナス商戦という、需要が高まる時に合わせてキャンペーンをすることにした」

 樋口社長はSurfaceについて、「キーボードが付いていてUSB端子を備え、Officeが持てるのは、ものすごいバリュー」と改めてアピール。「これで3万9800円ということにまず飛びついていただきたい」と話す。

 円相場は不安定な状態が続いているが、同社は、円相場を商品価格に反映させることは基本的に行わないという。「為替によって商品上げたり下げたりというのは、ユーザーさんにはなかなか受け入れてもらえにくいロジックだと思う。為替は、米本社の連結決算に影響するが、日本法人の経営は為替を意識しないオペレーションになっている」

Surface RTの販売は「好調」
 記者からは「Surface RTが販売不振で、値下げでてこ入れする狙いでは」という質問が繰り返し出たが、樋口社長は明確に否定。「Surface RTはたいへん好調。われわれの予測を超える好調さだが、われわれはこの分野では後発で、チャレンジャー。当初の予定より少し良かったぐらいで満足してはいけないという考えのもとに、さらにアグレッシブに行こうと」

 Surface RTの販売数などは明らかにしていないが、ソーシャルメディア上で販売意欲を示すコメントが競合製品より多いことや、量販店で、Surface専用テーブルの展開が続いていることなどを、好調の“証拠”としてあげる。

 7日に発売した「Surface Pro」は、予約受け付け期間がRTの半分だったにも関わらず、RTの倍以上の予約があり「発売以降もびっくりするぐらい引きが強い」とアピールした。

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