詐欺の一種:マイナスイオンドライヤー 家電大手4社、不十分な実験で効果宣伝

 実証実験というのが使いものにならないような内容であること以前に、「何のイオン」なのかを問題にして欲しい。イオンというのは状態であり、何がその状態になているのかによって有効なものか有害なものか、あるいは全く何の効果もないものかが異なる。

 「XXのイオンを分当たりYY単位放出する」という表示を義務付けるべきだ。もちろん、そのXXのイオンがメーカーの謳う効能と相関性があるということを、信頼性のおける方法で検証した上でだ。そんなイオンが存在すればの話で、そんなイオンがないのなら、「マイナスイオンで云々」という謳い文句は全て禁止すればいい。

<イオンドライヤー>家電大手4社、不十分な実験で効果宣伝 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

 「イオン発生機能付き」をうたう高性能ドライヤーについて、家電大手4社が十分な実験をせずに髪の潤いや保湿の効果があると宣伝していたことが、東京都の調査で分かった。都は景品表示法の不当表示に当たる可能性があるとして、適正な実験をするよう業界団体に要請。4社はカタログや広告の内容などを改める方針だ。

 各社のイオンドライヤーは、電気を帯びた粒子を風と一緒に放出し、水分を髪に吸着しやすくする機能などをうたっている。価格は数千~2万円程度。製造大手のパナソニックによると「乾かすだけでなく、毛髪のケアも一緒にしたい」という消費者のニーズに応えて需要が伸び、11年度に国内で出荷されたドライヤー約580万台のうち約7割を占めるという。

 都生活文化局は1月、国内メーカー4社(パナソニック、シャープ、日立リビングサプライ、東芝ホームアプライアンス)の商品の広告表示を調査。その結果、全社の商品で効果を示す根拠となった実証実験の問題点が見付かった。

 ある商品は、冷風モードで20~30分かけ続けた時のデータを表示。1回5~7分、冬は温風モードを使うのが一般的な使い方とされており、実態に即していなかった。また、3社の商品は被験者が1人だけで、個人差の検証をしていなかった。イオン発生機能がない商品との比較をしていないケースも2社であり、ドライヤーの使用前後のデータだけで頭皮の脂の低減効果を強調するなどしていた。

 都は7月、メーカーや小売店でつくる「全国家庭電気製品公正取引協議会」に、十分な実験結果を得たうえで効果を表示するか、表示を変えるかするよう要請。4社はいずれも取材に対し、要請に従う姿勢を示した。パナソニックは「指摘を真摯(しんし)に受け止め、消費者に誤解がないように改善したい」、シャープは「次の機種から改善する」とコメントしている。

 都取引指導課の松下裕子課長は「メーカーの説明が足りない。誇大表示になっていないか今後も調べる」と話している。【柳澤一男】

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