中堅・中小企業のIT化不満がたった4割?

情報化投資:結果に不満な企業が4割 社会経済生産性本部
情報化投資:
結果に不満な企業が4割 社会経済生産性本部
 情報化への投資に不満を感じている企業が37.4%に上ることが社会経済生産性本部の調査で明らかになった。「大いに満足」は2.3%しかなく、情報化への投資の難しさが分かった。

 調査は全国3000の上場企業の代表者を対象として1月に行われた。回答率は10.3%と低めだが、あえて企業トップに回答を求める設問をとった。

 それによると、情報システム部門の役割について「各業務のプロセスを俯瞰(ふかん)でき、具体的改善案を提案できる」と高く評価したのは33.2%あった一方、「各部門とのコミュニケーションが緊密でない」は32.3%、「情報システム部門は手一杯で提案どころではない」が12.9%、「提案する風土がない」が12.3%であり、3分の2近いの企業で課題を抱えていた。

 また、「ほぼ全従業員が必要な機能を使いこなせる」は18.1%しかなく、何らかのサポートを必要とする社員がいる企業が半数近くに上った。

 システムが実際に成果を上げているかについて、「成果をほぼ把握している」は45.5%にとどまり、「あまり把握できていない」の47.7%と並んでおり、情報化の題目は進むものの、経営トップが意味を理解していないことが浮き彫りになった。分野別でみると、「財務・管理会計」は85.7%が「効果を上げている」のに、「顧客管理」は59.6%、「意思決定支援」は55.4%とジャンルによって成果は違う。

 情報投資に「大いに満足している」企業の回答をみると、「戦略目標と情報化投資を整合する」「情報化推進効果の具体的な目標をたて、定期的に検証する」「情報システムはパートナーや顧客からみても使いやすくすべき」などの共通点があり、同本部は「これらの取り組みを参考にしてほしい」としている。【柴沼 均】

 2004年4月14日

 この記事には問題点がある。社会調査のウソで散々指摘したのと一緒。回収率10.3%ということは、実際には309社の意見を聞いたに過ぎない。1社あたり0.3パーセントにもなるサンプルの評価に小数点以下のパーセントを使ってはいけない。

 これに答えたのは、ほんの一部の自社のシステムについてかすかにでもイメージのある、そしてシステム化について感心のある経営者だけだろう。その結果が、辛いか甘いかは判断不能だ。

 ただ、一つだけ浮かび上がることがある。つまり、日本の経営者の大半はシステム化について明確なイメージもなく、自社のシステム部門に対しても評価できていないということ。関心の高いことで経営課題として強く意識している経営者なら、例え忙しい人間が多いとしても、こんなに低い回答率にはならないだろう。

 それと、言わしてもらうなら、経営者宛への名前が書いてあっても、実際に回答しているのが経営者とは限らない。というより、俺はこの「社会経済生産性本部」からのアンケートに答えたことがあるぞ。社長というのは代表者であって、経営者個人という意味では捉えないからな。そうなると、無関心であるかどうかすら分からなくなってしまうが(^^;

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