ユーザーエクスペリエンスと経営

 三井住友銀行に行って残高照会をしたら、ATMの反応が速くてびっくりした。

 暗証番号を入力して確認ボタンを押した瞬間に画面が変わり数字が表示された。これまで、というか前に照会したときは、「ホストと通信してるなあ」と思われるタイムラグがあり、サービスの紹介画面が表示されていた。

 ATMの速度アップだけでなく、ホストや回線を含んだシステム全体の能力が上がらないとこんなにはならないはずだ。

 その昔は、アクションのたびにホストと更新するようなタイムラグがあった。5~6年前からは端末で、カード・通帳・暗証番号等を受け付けた後で、まとめてホストにアクセスしているような方式になった。この時は、受付までは早いが、最後の確認ボタンを押してから待たされる時間が長くなった。全体の操作時間は実時は短くなったが、何もせず待っている時間が増えたためにいらいらの度合いが増えたりもした。

 しかし、今のは全然違う次元だった。メカニック的な操作のいらない残高照会だったからかもしれないし、空いている時期だったこともあるだろうが、このレスポンスはすごいと思った。

 ホストを分散させてデータを支店に置いてるということは無いよな・・・

 消費者が直接使う銀行窓口はATMだから、その改良は消費者にとって大きな利便性をもたらす。退職者の期間採用なんて、銀行にとってのコストダウンであって消費者にとって全然実感を伴わないから。もちろん、企業としての採算をとりながらもユーザーエクスペリエンスを良いものにするよう怠らないようにすべきなのは言うまでもない。

 企業としては、バックエンドのコストダウンは重要だ。それによって収益率をアップさせ、預金者への利便性の提供することは経営者の義務だ(倒産した挙句、ユーザーに不利益を強いた協栄生命の経営陣は制裁を受けて欲しい。経営者として最低のことすら守れなかったような経営者がのうのうの暮らしていると思うと腹立たしい)。そんなことはやった上での優先順位という意味だ。

 しつこいかもしれないが、この点で、ダイエーはダメダメだと思う。やる気のない社員、閉鎖されたままのテナントブース・・・商品と別の悪いユーザーエクスペリエンスを与えてしまっている。大丸にも心ここにあらずといった店員はいたし、きっと他の店も似た入り寄ったりなんだろうけど、最も強い負のエクスペリエンスを感じるのがダイエーだ。

 地方の、惰性で続けているだけの米屋みたいな感じだ。テレビの特集番組で、社長のがんばりをアピールしたり、やる気のある若手社員が張り切って見せてもダメだ。ダイエーの商売は店舗で行われる。そこでのメッセージがテレビで観るのと全然違うのだから。

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