袋叩き体質

 三菱が数多くのミスをし、それをごまかすための対策に問題があり叩かれている。それは当然だ。

 しかし、三菱がらみならネタになるという、そして、三菱を叩くことで自己を正当化しようとする役人どもと尻馬に乗って騒ぐマスコミにはうんざり。

 ヤミ改修7000件とかいってたけど、それと同じ基準で他のメーカーを調査したら何百件はでてくるだろう。

 三菱の不正を見抜けなかった監督官庁の奴らの責任は誰が追及するんだ?同時に、お前らが業界と結託して維持している「車検制度」で合格した車が事故を起こしていることに対する責任があるだろう。取れないのなら車検制度意味がない。

 それに対して、マスコミの大得意先、日本経済の優等生たるトヨタには甘い。日産やホンダに対しても、企業努力を礼賛するような論調のものしか見えない。しかし、トヨタの利益の多くは三菱の潜在ユーザーの乗り換えによるものでしかないということだ。

 寡占市場で、その中の数十パーセントを持っていた会社のシェアが大幅に減ったら他の企業は何もしなくても儲かる。もちろん、その機会をきっちりと自分のものとするハイエナ同志の争いに負けなければならない。この時に効くのはシェアの大きさだ。

 仮に、5社(40,20,20,10,10)の市場で、10%の企業がシェアを半減したら、その5%は他の4社に平等に分配されることはない。シェアに従って分配されると考えるべきだ。つまり、普通にやってればトヨタの利益は自動的に他社より大きくなるのだ。

 実際には、小さなシェアの会社は三菱による神風需要があっても供給余力がなく取りこぼす可能性が高い。大きなシェアの会社は、供給を数パーセント増やすだけでいい。しかも、既存の設備の稼動率を調整するだけでできる可能性もある。この需要増加分は高い利益率なはずだ。だから、トヨタは市場環境から考えて三菱のおかげで一番得をしたのだ。

 だから、「三菱自動車の売上が落ちる中で、他社の売上は堅調で、特にトヨタは云々」というのはおかしい。「三菱自動車の販売不振のおかげで、他社は売り上げを伸ばし、特にトヨタは需要増による利益率の向上もあり、最高利益を更新しました。まさに、トヨタの社長は三菱の本社に向けて足を向けて寝ることはできないでしょうね」というべきだろう。

 まあ、俺にとってはどうでもいいことだが、この社会的な体質には違和感を覚える。まるきり、子供のいじめと同レベル。タイヤ脱輪事故で人が死んだときに、追求しなかったマスコミ連中。おざなりな調査で良しとした監督官庁が、今では三菱叩きだ。

 こんな体質では、隠ぺい工作を「危機管理」と勘違いしてしまう奴は後を絶たないだろう。

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