iPad #03 Retina の威力と次の一手は

 「新しい iPad」で最も大きな話題となったのは Retina ディスプレイだろう。しかし、自分はあまり重要視はしていなかった。グラフィックアプリを使う気もないしゲームもしないから。

 20 インチの iMac と並べてみた。iMac のほうがピクセル数が少ないというのだから驚く。


 青空文庫のために入力したデータを校正しているときにこの高解像度の力を知った。上がiMacで下がiPad。iMac では画数の多い漢字は雰囲気で判断し、紛らわしい文字は(20pt)くらいまで拡大していた。iPad ならその必要は殆ど無いだろう。「香靉谷」の画が見分けられるなんて・・・
 OCR でテキスト化するときに濁点と半濁点の認識によく失敗する。読んでこここパーソナル(Epson)は機能が貧弱で、パターンを登録して精度を上げるということができず、認識率が上がらない。一番困るのは画面上で見分けがつきにくいということだ。Retina な一々拡大する必要はない。

 
 XOOM(左)と比較してみた。XOOMにはマットの保護シートが貼ってあり、そのせいでシャープさは若干損なわれているが、それ以上の差がある。Retina では XOOM で見る時より2段階小さいフォントでも同等の視認性が確保できる。(XOOM でも windowsXP のMSゴシックよりははるかに読みやすい)


 これらを見ると、欲が出てくる。OCRの取り込みとテキスト化は iMac でやって、校正は iPad でやるということも十分考えられる。しかし、問題は、外字や存在しないしない文字の辞書を参照できないということだ。古い本は旧字体でなくても、JIS第二水準に収まらない文字が多い。これらは、UTF-8では入力できても青空文庫の原稿には使えない。そのためには、旧字体の辞書をpdf化したものから文字を探して注を入れなければならない。iMac で作業する場合には両方のファイルを開いて並べて作業できるが、iPad では全く無理。この時に一々フルスクリーンのアプリを切り替えてコピーして戻ってペーストという作業の手間をかけるのと高精細のモニタで作業するとのどちらが効率がいいかは分からない。iMac が Retina を搭載すれば全て解決だが、数年先になるだろう。

 今回の “The new iPad” という名前としたのは象徴的なことかもしれない。液晶パネルやCPUパワー、通信回線などの要素技術は出尽くした感がある。絶賛されているモニタだって、amsung が作ったものだ。Samsung のタブレットがこれと同じモニタを搭載してくるのは時間の問題だ。要素技術によるリードは数ヶ月しか保てない。要素技術をモデルのナンバリングに使うのはやめにしたということの宣言かもしれない。話はずれるが、そうなると次の iPhone は “iPhone 5” ではなく “The new iPhone” かもしれない。

 次の iPhone と iPad がこんなど素人のおっさんの予想をはるかに超えるもので有って欲しい。

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