需要予測・・・コミュニケーター

 Treo600が需要予測を上回る好調で部品不足。iPodminiはHDの供給不足でアジア・ヨーロッパ市場への投入延期。期待機会損失はあったかもしれないが、代替物がなければ、失う需要はそう多くない。それに、予想はクリアできるのだから予想利益を下回ることはない。無理な増産をして不良在庫を積み上げるような間抜けなことは絶対したくないというのが、両社とパーツ供給メーカーの共通した思いだろう。

 IDCのアナリストは書いていないが、この業界が悩まされているのは、部品不足より過剰供給による不良在庫と製品価格下落だろう。肥大化した製品ラインは需要が衰えた後もメーカーの首を絞め続けるのだ。需要一巡後の過剰設備が企業の重荷になった例は多い。Treo600やiPodminiの需要に応えるために生産ラインを増やす気は、少なくとも供給メーカーにはないだろう。

パームの春は「嬉しさも中くらい」–大人気のTreo 600、部品不足に泣く – CNET Japan

 供給不足の問題は、ハイテク製品市場では珍しいことではない。スクリーンやメモリといった限られた数の部品を求めて、多数のメーカーが常に争奪戦を繰り広げている。そのため、予期せぬ消費者の需要に不意を付かれても、それに対応してすぐに増産を行うことは難しい。

 調査会社IDCのアナリストKevin Burdenは、「この業界は常に部品不足に悩まされている。需要と供給がピッタリ一致させるため、みんな四苦八苦している」と語った。

 「不意を付かれて」じゃなく、「不意を突[衝]かれて」??

 ところで、株主でも従業員でもないのに、発売の延期によって損害を被ったようなヒステリックな反応を示す人がいる。イラクで人質となった人の家族にいたずら電話をかけるのと同レベルの反応だと思う。
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 Treo600がここにきてそんなに盛り上がっているというのは、日本にいてはまったく分からない。16万台というのがPDA市場でどれくらいのものなのかは分からないが、一機種の台数としてはそこそこのものと思われる。参考として、発売数量の分かる記事を引用する。

auの「A5503SA」「A5403CA」に不具合、約32万人に影響

 KDDIは、三洋電機製の「A5503SA」およびカシオ計算機製の「A5403CA」に不具合が確認されたと発表した。対象ユーザーは、「A5503SA」が25万8,000人で、「A5403CA」が6万6,500人。現在発売されている商品については、不具合対策済みとなっている。

 両端末とも記事後数量を伸ばしているとは思うが、Treo600はA5503SAの半分、A5403CAの倍以上が売れたということだ。auの中の人も京セラの中の人も良く考えるべきだ。QUALCOMMのチップを使ったPalmOSコミュニケーターは既にある。これを日本市場に投入することは、技術的には難しくないと、素人考えだが、思う。

 一番の問題は政治的なものだろう。閉鎖的なBREW(BREWが閉鎖的なのではなく、BREWの開発を制限したauが閉鎖的という意味だが)に統一を図っているケータイ端末に、自由にアプリケーションをインストールできるpalmOSがなじまないだろうことは想像に難くない。A5502KのプリインストールBREWアプリですら、端末に元からあるソフト(アドレス帳やメール編集)と互換性が不十分という始末だ。このような閉鎖的なauの姿勢から考えると、palmOS機の採用は難しいか・・・

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