新しいことに挑戦するのは楽しい(小野田)-54歳が JW-CADに挑戦w

JWCAD 久しぶりに新しいソフトを使っている。JW-CAD というのがそれ。

 自分は馴染みはなかったが、日本の図面描き業界ではAutoCADと並んでプラットフォームのような存在らしかった。以前、一度インストールしたものの操作体系が馴染めずに諦めて削除していた。

 AutoCAD だって標準的なグラフィックソフトとは大きく異なる操作体系だから、JWCADだけが独特なわけではない。製図という抽象的な図面を描くために直感的な操作体系が難しいのだろう。しかも、製図はそれ自体を目的として使うものではないから、初学者がとっつきやすいとか直感的に描けることより、使い込んだ時に効率がいいことや正確に描けることが優先されるのは当然だろう。Illustratorだって、子供が直感的に使えるようなシロモノではないだろう。

 今度、会社でCADのオペレーターを養成することになり、CAD経験のある自分も教える側で参加することになった。自分が勤める会社には AutoCAD LT を人数分買う余裕はない。というか、数年前なら買えただろうが、今は買えない。買えなくなったから、今頃になって社内で図面を描くことになったのだ。もし会社(というか、会社の舵取りしてる奴ら)が、AutoCADを買ってオペレーターを養成することを苦しくなる前にやるくらいに先見の明があれば今頃こんな状態にはなっていなかった可能性が高い(業務ソフトは500万とかは珍しくもないからAutoCADLTを10本くらいは普通の状態なら大きな出費ではない)。「鶏と玉子」の関係なのだ。

 そんなことをボヤいていてもしょうがないので、今週は Youtube の入門講座をトレースした。部品レベルの図面なら作れるようになった。「AutoCADなら半分くらいの時間でできる」と思うことも多いが、独特の操作体系に習熟すれば近いレベルにはなれるだろう。

 未だに馴れないのが、コマンド待ち状態の曖昧さ。AutoCADならコマンドが終わったら入力待ちになる。同じコマンドを続ける場合はスペースバーを押すだけなので、連続でもタイムラグはない。また、確定させる時に enter でもスペースでもいいのは強力だ。JWCADはマウスクリックで操作が完了してもそのまま同じコマンドを入れた状態になるので、何らかのオプションを入れなければならない時にいちいちキャンセルするか他のコマンドを仮に入れなければならない。後、確定の時にEnterの代わりにスペースが使えない。これも大きい。

 Enter キーはキーボードの右にある。右利きの人間は右手でマウスを持っている。なので、コマンドを入れる時にスペースバーで確定できるのが非常に効果的なのだ。

 後、コマンドはキーボードからも入れられるが、この設定がわかりにくい。ABC順に使用頻度の高いコマンドが割り当てられている。上にも書いたようにキーボード操作は左手でやりたい。なので、使用頻度の高いコマンドは左手で入力できる方がいい。これについては、AudoCADは英語のコマンドの頭文字をとっていて、不便だったので同じだが(AutoCADで仕事をしていた時には設定を書き換えて殆どの作業が左手のコマンドで入れられるようにしていた)。

 後、レイヤーは明らかに機能不足だ。レイヤーなのに上下関係という概念が無いということに驚く。レイヤーを1~Fまでの連番で管理しているのだからしょうがない。しかも、この連番は上下を持っていない。2Dの製図ならこれでも困らないといえば確かに困らないのかもしれないが・・・

 ただ、カスタマイズしてしまうと、人に聞かれた時に困ってしまう。もしカスタマイズするなら社内で統一させないとダメだろう。かといって、そうなると解説本とかで勉強しようというときに説明と食い違ってしまう・・・

 まあ、不満ばかりのようだが、フリーで公開されていることに感謝だ。フリーソフトとは思えないような機能と完成度だ。解説本でも出されていたら買いたいところだが、サイトを見てもマネタイズのマの字も感じさせない、古臭くてシンプルでクールなページしか無い。開発リソースに見合うだけのものを得られているのか心配だ。一方でAmazonでJWCADを検索すると山程ヒットする。ソフトの作者は全く潤わないのに、周辺のマニュアル本書きだけが儲かるという構造は間違いだと思う。

orz

 これまで、社内でCADで図面を描ける人間はほとんどいなかったが、何人かはいて、ARCADとかいうマイナーなCADソフトを使っていた。どういう経緯でこんなマイナーなものを選んだのかは全く不明だ。その人が描いたという図面をもらった。ARCADは多くのファイルフォーマットへのエクスポートが可能だった。JWCADと共通のものは JWW,JWC,XDF,p21だった。一長一短はあるが、最も再現性が高いのは p21 だった。

 p21にして図面を精査していたら、端点で繋がっていなければならない辺が交わっていなかった。その周辺の寸法も矛盾したものになっていた。寸法コマンドで測ったはずの数値とは異なった数字が入っていた。これはCADではかなり致命的なミスと言っていい。

 が、印刷して相手に渡す分には分からないだろう。印刷なら潰れて見えないくらいの微妙な隙間だから。自分も、普通に見るだけなら気づかなかった。交点を取ろうとして気付いたのだ。交点から引いたはずの線が寸法線と一致しなかったから。

 こういうレベルの図面を量産していたとしたら面倒だなぁ・・・古いのはそのままにして、変形して流用する時には正しくするか・・・10枚や20枚位なら自分が修正してもいいが・・・

 しかし、自分のというか、自分の部署の仕事じゃないんだよなぁ・・・しんどい思いしてやっても何の評価にもつながらない。だれもそれを評価できる人間がいないから・・・あほらし・・・

ユーチューバーにも感謝

 Youtube にもたくさんの解説動画が上がっていて、感謝しかない。

 解説本を買う必要が無いくらいだ。ちゃんと体系だって順番に手順を実演しナレーションで説明している。こちらも、見合うだけの収入を得てるとは思えない。

 入門編で一通りの操作を概観し、実際に作業の際には「逆引きリファレンス本」を手元に追いておくのがベストかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です