端末としての自動車は大きくは変わらない。通信機能とコンピュータ操作ができるだけでいいので、今のような仰々しいセンサーを搭載する必要はない。今の自動運転車より簡単だろう。
機能としては今の自動運転と大差ない。というより、視認系センサーは短距離広角のセンサーのみになる。メインは道路インフラとのネットワークとAIを動かすためのコンピュータパワーだ。ロボット型自動車のおもちゃを巨大化したようなものだ。搭乗者の個人認証は強固にする必要がある。
認証:
生体認証とネットワークID管理の併用が考えられる。生体認証を必須にすると共有できないので、個人所有と共有とで使い分ける必要があるかもしれない。
このIDは現金支払や保険情報とも連携させられるのでガソリンスタンド(充電)や有料道路、駐車場の支払いは全てオンライン決済となる(共有の比率が上がれば有料駐車場という概念自体が不要になるかもしれないが)。
乗るときには個人認証が必要となるので、窃盗も激減する。認証しないとエンジンがかからないからだ。なんらかのIDを盗んで持ち出しても、自走機能付き iPhone のようなものなので、今どこに車があるか分かる。動かなくもできる。所有者からの通報があれば車をロックしたまま警察に届けることができる。
緊急車両は通信によって任意の車を停めることができる。救急車は交差点で減速する必要がなくなる。交差する道路に進入する車を全て停止させておけるからだ。ロックの制御もできるので、このシステムが完成すれば自動車で逃走することは不可能だ。
仕様:
どんなに大きなエンジンを積んでもスピードは出せないし鋭い加速もできない。そもそも、ドライバーが速度を調節できないしハンドルもペダルもないので、不要に大きなエンジンの乗用車はなくなる。自動車は登場人員や居住性、荷物の搭載量などで決まるようになるだろう。
電気自動車化が望ましいだろうが、化石燃料でも可能だ。化石燃料にしても大幅に燃費は良くなるだろう。空ぶかしもないし、最適ルート、最適加速、加減速を最適化するからだ。
駆動方式については、電気自動車なら 4WD になる各輪にモーターを直結し減速時の回生ブレーキとして使う。
人数と荷物の量でパッケージングは決まるだろう。
共有:
カーシェアリングの究極の形になる。今のレンタカーと似たモデルになるが、使用者が月額基本料と走行距離に応じた使用料金を支払う。駐車場(充電場所)や自動車の保有コストがかかるので月額の契約は必要になるのではないだろうか。
使用者は乗車時の認証によって支払可能額がチェックされるので、とりっぱぐれはない。
このモデルはコンテンツサービスのサブスクリプションモデルと同じだが、走行距離に応じたタクシーモデルもありえるだろう。月額料金か従量がいいかはライフスタイルや住んでいる場所と目的地の位置関係で個人差が出るだろう。選択できることが望ましい。
要件
- 認証システム(所有者・仮運転者・課金)
- 通信(道路・WAN・P2P)
- 走行情報の送信(渋滞や道路凍結、緊急通行止め)
- ルーティング情報、道路の規制情報