限りなくゼロに近い∞「Windows 8」タブレットの「iPad」対抗馬としての可能性

 Windows 8 が仮にスマートフォン市場のように iPad の需要を奪ったとしても、模倣品に載る OS が Android から Windows 8 になるだけだろう。プラットフォームを代表するような大ヒットはなく、新機種が入れ代わり立ち代わりランキングの上位を占める。それは、PCやガラケー市場で見慣れた後継だ。

 PCや会社のネットワークとのシームレスなシンクを可能にすることができれば、企業への導入で iPad の持つビジネスユニットを侵食することができるかもしれない。しかし、PCのOSの更新はそう簡単には進まない。企業はやっと Windows 7 への移行したばかりだ(未だに XP を使っているところもある)。後数年はメインの OS は Windows7だ。タブレットだけが Windows 8 になっても同期のメリットは出せないんじゃないだろうか。

 個人市場は完全に Android というか Amazon の Kindle fire と iPad で決まりだろう。すでにタブレットは5000万台以上が市場に出ている。新規購入者の割合は減っていくはずだ。その時に、アプリの充実した iPad から他の OS のマシンに乗り換えるのは難しいだろう。これはかつて PC 市場を Windows が占有し続けたのと同じ理由だ。アプリや OS に関心のない層には Amazon のKindle fire が強く訴求するようだ。価格の安さと Amazon へのロイヤリティは Windows 8 が覆せるものではないと思う。

 Windows 8 がAndroidタブレットの UX を大きく上回る、iPad に迫れるものだった場合で、十分に安価な端末を提供できた場合のみ Android の個人市場に食い込むことが可能になるかもしれない。iPad と同等の UX と現行の Android と同等の価格というのは非常に高いハードルだろう。個人の予想としては「Windows 8 タブレットのシェアが2013年末までに 10% を超えることはない」と書き留めておきたい。

「Windows 8」タブレットの「iPad」対抗馬としての可能性 – CNET Japan.

 「Windows 8」のリリースまでの視界が開けてきた今、大手デバイスメーカー各社はMicrosoftを先頭に、大きな盛り上がりを見せるAppleのパーティーに押しかけることが予想される。

 「Android」はどこへ向かうのだろうか。これまでのところ、止まるところを知らない「iPad」のお祭り騒ぎに割って入る寸前までいったAndroidタブレットのサプライヤーは、Amazonだけである。

 なんとも皮肉なことだ。Amazonはハードウェアを本業とする企業ではない。そして、MotorolaやDell、ソニー、東芝、サムスン、ASUSTeK Computerといった企業とは明らかに大きく異なる。これらの企業はすべて、iPadに取って代わるような大ヒットのAndroidタブレットを生み出すことができていない(サムスンとASUSはある程度の成功を収めてきたが、数字でiPadに肩を並べる製品は1つもない)。

 Deutsche BankのChris Whitmore氏は先週、リサーチノート中の「No iPad-killer in this bunch」(これらの製品の中にiPadキラーはない)という見出しの付いた段落で、次のように述べている。

 アナリストはAndroidに不安を抱く:「この12カ月、タブレット市場には膨大な数のAndroidベースのデバイスが登場したが、iPadの成功に匹敵するようなものは1つとしてない。ハードウェアの観点から見ると、大半の製品がほとんど、または全く差別化の図られていない『模倣』であることは明白だ」(Whitmore氏)

 Whitmore氏は、「われわれはこれまでと同様、こうしたAndroidベースの『iPadキラー』が期待はずれに終わると考えている。(デバイスメーカーの)多くはこの考えに同意しているようで、2H12(2012年後半)に出荷予定のWindows 8ベースのタブレットに取り組みをシフトさせている」と続ける。

 そして先週、MicrosoftがARM版Windows 8についての詳細をより明確に提示したことで、そのシフトはいくらか勢いを増した。

 Windows 8タブレットの登場を待つ:個人的に、筆者はHewlett-Packard(HP)やDell、ソニー、サムスンといった企業のWindows 8タブレットを手に入れることを切望している。それはなぜか。「Android 3.2」を搭載したMotorolaとVerizonの「Droid XyBoard 10.1」(別名「XOOM 2」)を使用して2カ月になるが、必ずしも満足のいくものではないからだ(ただし、Motorolaの薄型で軽量のデザインは非常に気に入っている)。要するに、筆者のXyBoardのAndroidは、筆者の「iPad 2」に搭載された「iOS」の信頼性と比べて見劣りがする。

 デフォルトのAndroidブラウザでは、非常に基本的な作業の実行がうまくいかないことが多々ある。例えば、ウェブページを高速でレンダリングしたり、一部サイト上でモバイルウェブページを開いたり(デフォルトで「デスクトップ」向けウェブページを強制的に開くようにブラウザを設定すると改善されるようだ)といったことだ。「Opera Mobile」などのほかのブラウザは高速だが、別の欠点がある。ささいな問題のようだが、筆者のようにウェブを頻繁に利用する人間にとっては、決してそうではない(さらに欠点を挙げることもできるが、それは別の投稿で取り上げるべき問題だ)。

 筆者は愚痴をこぼしているだけかもしれないが、次のような不満がある。まず、iPadではこれらの問題が発生しない。また、製品サポートについて、Appleがきめ細かく取り組んでいるのに対して、MotorolaやVerizonは重点を置いていないのではないかという不安を筆者は抱いている。さらに、Androidのアップグレードに対するGoogleの極めて分断化されたアプローチは(筆者のXyBoardがいつ「Android 4.0」をインストールできるようになるのかは誰にも分からない)、事態を悪化させるだけだ。

 Microsoftのブランドとスムーズなユーザー体験の組み合わせは、iPadの優れた代替品を提供できるかもしれない:ここに、Microsoftが事態を好転させるチャンスがある。例えば、HPがWindows 8タブレットでスムーズな(AppleにあってAndroidにないものを包括的に表す言葉だ)体験を実現し、さらに「Microsoft Office」の完全版と「Windows」ファイルシステムへのアクセスを提供できれば、消費者はiPadを検討するときに少し立ち止まるようになるだろう。

 そして、Microsoftは同社の最も強力な武器(Office)を使って、タブレットをより創造と生産に適したデバイスに変えることができる。iPad(さらに言えば、ほかのあらゆるタブレット)の体験は、依然としておおむね受動的なものだ。

 統制も必要になる。Microsoftはさまざまなブランド間で比較的安定したユーザー体験を維持することに関して、豊富な経験を持っている。実際のところ、スムーズな体験を確実に実現するとなれば、ある程度強引で独裁的な管理もマイナスにはならない(Appleが頭に浮かぶ)。

 未来のことは誰にも分からない。MicrosoftはiPadの長い行列から消費者を奪いながら、9インチの次世代「Kindle Fire」の購入を考えている人々までも引き寄せるかもしれない。

 ただし、適切な価格であることが条件だ。言うまでもないことだが、もしWindows 8タブレットの価格がiPadに対抗できるものでなければ、すべては夢物語に終わる。

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