「iPhone 6は大量のAndroidユーザを奪った、この広大な草刈り場がAppleの今後の伸びしろになる」のか?

 非常に楽観的な見方だが、iPhone から Android に乗り換えたユーザの数について無頓着でいられるのだろうか。自分はズブズブに Apple エコシステムに漬かっているので iPhone から乗り換える気はないが、Apple のエコシステムにそれほど深くコミットしていないユーザにとっては見逃せない価格差が生じている。

 freetel priori2 はハードウェア仕様がショボすぎるように映るが、Twitter や facebook、instagram やソーシャル系のゲームをやるには十分だ。このブログを読むようなヲタには信じられないかもしれないが、スマートフォンを買ってもアプリをダウンロードしない(あるいはわずかしかしない)ユーザが多いらしい。これらの人にとって iPhone 6 はオーバースペック以外の何物でもないだろう。

 先日連投したように親には freetel priori2 を贈った。自分で面白そうなアプリを探してダウンロードなどということができない人間には 16GB すら無駄だし、外出先で動画を観たりもしないので LTE も要らない。Android が 2.3 の頃はこの選択肢は存在しなかった。Gingerbread 端末はデジタル端末リテラシーの無い人間に使わせることは出来ないレベルだったから。

 ハイエンド市場で Samsung を駆逐した Apple だがハイエンド市場自体が飽和することは食い止められない。ローエンドで構わないユーザが数倍の金額を支出してまで iPhone に機種変更するとは考えられない。

iPhone 6は大量のAndroidユーザを奪った、この広大な草刈り場がAppleの今後の伸びしろになる – TechCrunch
Appleの最新のiPhoneの顧客は、古いiPhoneからのアップグレードだけではなくて、むしろその大多数はそのほかのプラットホームからの移行だ。AppleのCEO Tim CookはWall Street Journalのインタビューで、最近iPhoneを買っている消費者の相当大きなパーセンテージが、iPhone以外のデバイスから来ている、そしてその多くがAndroidからの移行だ、と述べた。これはたぶんAppleにとって、前四半期にiPhoneが7450万台売れたという新記録よりも良いニュースだ。なぜならこの数字(Androidからの移行)は、まだまだこれからも伸びる余地が大きいからだ。

前四半期にAppleが達成した巨大な数字を見て、一種の天井観を述べるアナリストも少なくないが、でも重要なのは売上の数字よりもむしろ、それがどんな形で達成されたのか、だ。AppleのCEO Tim Cookは、最初の一台目のスマートフォンを持っている/いた大量の初心者的ユーザを重要な機会ととらえ、中国本土のような市場での同社の成功はそのことを実証している、と述べている。

未開拓のスマートフォン市場のサイズは、世界経済の動向にも左右されるし、とくにハイエンド機の市場は景気の影響を受けやすい。それに対して、今Android機を持っているスマートフォンユーザの数は、具体的に把握できる。それは巨大な市場であり、ここ数年、着実に成長してきた。

iPhoneが今置かれている状況は、Macがたどってきた過程と似ている。Macも初期には成功し、その後競合製品に市場を奪われ、それから再び盛り返した。ただしiPhoneはMacのように、途中、綱渡り状態になったことはなく、むしろ市場で一貫して維持してきた実力が、競合機種からの大量移行を招き寄せた。iPhoneがAndroidユーザに対して発揮した強い説得力を、MacがPCユーザに対して持つならば、それは巨大な売上に結びつくと思うが。

Androidデバイスが今後、その機能や魅力においてiPhoneを上回るものになる、とは考えられない。対してAppleは、iPhoneの大型画面機を出すことによって、多くの人たちがどっとiOSのハードウェアに流れる要素を作り出した。そしてSamsungが舵を失った船のようになってる今は、Appleにとって、向かうところ敵なし、という楽ちんな状態になってしまった。

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