使い込まなくても分かる「Surface Pro 3を5日間使い込んだリアルな感想」

 Surface Pro 3を5日間使い込んだリアルな感想《戸田覚の読みごたえ重視の超辛口レビュー》賛同できる記事をあまり書かれない戸田さんだが、今回のレビューは、提灯レビューやMicrosoftわっしょい系ブログでは語られない点について納得できる評価が多かった。

 ところで、こういった点について提灯レビューやわっしょい系(木澤)ブログでは、「全く気にならない」と言っておいて、次機種で改善された途端、「前モデルでは不便だった」になるから笑える。Surface RT のキーボードカバーのタッチパネルも、発売当初は「タブレットでタッチパッドが使えるのは画期的に便利で、感度も悪くない」とか書いてあったが、世代が上がる度に、「前モデルよりタッチの反応が良くなった」と書いてあった。

 キックスタンドは自由に角度を調整できるようになった。角度を測ったわけではないが、120~130度は動くだろう。高さのある机からテーブル、床置きであぐらをかいて使いたい時にまで最適な角度に保てる。ただし、後述するキーボード(Surface Pro Type Cover)を取り付けても、ノートパソコンと同じように使えるわけではない。

 気になるのが奥行きだ。ノートパソコンはほぼ本体サイズの底面積で設置できる。液晶を倒したとしても、あくまでも底面積は本体サイズに収まるのだ。ところが、Surface Pro 3は、倒せば倒すほどにキックスタンドが寝ていく。つまり、設置のための底面積が増えてしまうのだ。これがかなりくせ者で、新幹線や飛行機のエコノミークラスだと、置き場所に困ることになるだろう。一部のカフェに見られる狭いテーブルの上でも扱いづらく感じるはずだ。

 また、最小角度で立てていると、キックスタンドが簡単に閉じることになり、ちょっとした弾みで倒れてしまう。特に、手前のスペースを確保するために、後ろ方向に押した際に倒れやすい。故障を防ぐためにもこの点は気をつけたい。

 また、膝の上でキーボードを使う作業もできなくはないが、かなり不安定。ノートパソコンのようには扱えないと思った方が無難だ。

 これについては、触らなくても分かっていた。キックスタンドという方式の根本的な問題だ(前に書いた)。

 後ろを上げるスタイルだと画面の下が隠れてしまい、タッチ操作でスワイプしづらい。

 これは、前に電器屋で数分触っただけで分かったことだ。が、これを指摘した記事はこれが初めて。

 最も評価したいのが、縦横比を3対2としていること。液晶の縦横比はどんどんテレビに近づき、16対9が主流になっている。ところが、パソコンのソフトを使う際にはワイドすぎてサイズ以上に画面が狭く感じるのだ。その点、3対2の縦横比は画面が広くてとても快適。特にExcelやWordで書類を作成する際には、A4用紙に近い縦横比なので、理にかなっているのだ。

 A4書類を縦で表示した時に最も効果的だろう。それは、iPad 3 と XOOM で同じpdfを表示しした場合との視認性の差ではっきり分かる。ボディサイズは XOOM のほうが大きいのに縦に持った時にA4横と合わせると小さくなってしまう。黄金比の印刷物がレガシーになるまではこのアドバンテージは無くならない。

 ただし、せっかく3:2 (黄金比ではないが)の比率にしてA4縦をフル画面表示できるのに、キックスタンドが縦で使うことを想定していないので、キーボードを使ってA4縦の文書を作るときにはページの一部を表示することになってしまう。(自分は iPad 3 を logicool Ultra thin keyboard cover for iPad にセットして使っているが、A4 の文書のレイアウトを考えて作らなければならない場合には縦て使う。)

 「PCに近い環境」という意味では A4 縦を表示できないのが標準的なので、困らないのかもしれないが、「Surface Pro 3 なら Word で A4 縦の文書を最終出力を確認しながら編集できる」とアピールするチャンスを失ったのはもったいない。キックスタンドを諦めて Ultra thin keyboard cover みたいな構造の純正キーボードを作ったほうがいいと思うが・・・キックスタンドは Surface のアイデンティティの一つだから引っ込めるのは難しいのだろう。

 僕は、ノートパソコンとiPadを両方鞄に入れているケースがままあるのだが、ノートパソコンとSurface Pro 3を両方鞄に入れて持ち歩く気にはなれない。個人的には、“タブレットとしても使える携帯ノート”だと考えている。すなわち、iPadのライバルになる製品ではないと言うことだ。競争相手に考えるなら、MacBook Airが妥当だ。

 Surface Pro 3を実際に使ってみて思うのは、これはタブレットではないと言うことだ。利用中にはキーボードが付いている時間がとても長い。ハイブリッドタイプのパソコンに近い存在だと思ってもよいだろう。僕は、Surface Pro Type Coverなしで持ち歩く気には、まったくなれない。タブレットとしても使える携帯ノートと考えると、かなり良い製品だ。

 タブレットを買おうと考えている方は、Surface Pro 3を選ぶべきではないだろう。携帯ノートを狙っている方こそ、選択肢に加えることを推奨する。

 これについても、ずっと前から書いてきたことだ。Surface は Windows PC。面積が減っているパイの角度を減らされる Windows PC メーカーにとっては脅威でしかない。Microsoft は Windows 8 のリファレンスとして水準のアップと Windows 市場の活性化を Surface を出す意味といっているが、Microsoft 関係者やパソコンオタク以外から Surface Pro 3 欲しいという声を聞いたことがない。

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