ロードレースにおける「逃げ」

二人の逃げがスプリントチームの引きで吸収される。
二人の逃げがスプリントチームの引きで吸収される。
 ロードレースで特徴的なのは「逃げ」の存在だろう。集団の中にいるときの倍近く体力を使い疲弊し、集団に吸収される。

 集団は津波のように押し寄せる。右の写真はツール・ド・フランス2014 8ステージで、序盤から2人で逃げた選手がスプリントチームによってコントロールされた集団に飲み込まれる寸前。これから30秒後くらいに彼らは集団に飲み込まれ、多くの場合は集団に残ることもかなわず置いて行かれる。

 英語の実況では escape と呼ばれる場合と bunch と呼ばれる場合がある。escape はトップを走っているが bunch は小集団の意味で、トップを走っている場合は escape と同義だが小さな第二集団や第三集団が形成された場合には second bunch や third bunch になる。この場合、chase group とも呼ばれる。

 ロードレースは、みんな同じように自転車に乗っているので分かりにくいが、選手は異なる役割を担っている。アメリカンフットボールや野球ほど明確ではないが、分業という意味では同じくらいに異なる職能が求められる。さらに、チームはそれぞれの持ち駒で望める最高の結果を求めて戦略を練り戦う。そして、それはレースの状況によってめまぐるしく変わる。この駆け引きこそがロードレースだ。

 ロードレースの役割についてはいろんなサイトにあるが、一度自分なりにまとめてみたい。

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