Web2.0 のプレーヤー モバイルブラウザのキャッシュサービス

88cf1196f2a38378355e5affbc79cf22 前からOperaがやっていたこのブラウザの高速化には、回線速度とモバイル回線のトラフィック減少(パケット料金の削減)以外にもメリットがある。

 人気があるサイトのアクセスする人は多い。キャッシュサーバはターゲットとなるサイトのページに対するリクエストがあった時に、一度目は全データをロードするが二度目以降は変更があったデータのみをロードする。これはネットワーク全体にとっても、ホストしているサーバにとってもメリットが有る。

 クライアントにとっても、メリットは有る。ホストしているサーバへのアクセス集中が分散されることで快適なアクセスが可能になる(かもしれない)。

Google

 しかし、Google はそれだけでは動かない。Google にとっては他のメリットがあるに違いない。ユーザーをボランティアのクローラーとして使える事がメリットなのではないだろうか。ユーザーの実アクセスに基づいたアクセスはボットのクロールより情報価値が高いはずだ。ページランクの精度を上げたり、マーケティング情報を取得することはGoogleにとって大きなメリットだ。

 GoogleによるWazeの買収もこれと同じ文脈だろう。Wazerが実際に走ったログは衛星写真では得られない情報に満ちている。さらに、ボランティアの行う編集は、普通なら一日あたり数万円の報酬を払わなければ得られない(地図作成業者のようなクオリティと網羅性はないが)。現時点では、Googlemapの方が地図として充実しているが、統合が実現すれば、GooglemapをWazeのデータで補完することが可能になるだろう。

Amazon

 Amazonは検索エンジンではないが、顧客情報の収集について、広告会社としては同業だ。ブラウザによる顧客情報の収集についてはGoogleより有利な面を持っている。

 Kindle fire 限定ではあるが、Amazonならではの大きなメリットがある。それは、アクセスデータとアカウントが結びついていることだ。そして、Amazonアカウントは購入履歴やクレジットカード情報ともつながっている。Googleも、GoogleアカウントやGoogle+でそれをしようと躍起になっているが、Googleアカウントでは家電品や衣料品などは買わない。

ビジネスモデル

 他のブラウザがアプリを販売したり広告を載せることで資金を得なければならないが、Amazon と Google にはその必要はない。客が他にいるからだ。そして、ブラウザによるアクセスのログ自体が商品だから。

 楽天 と Amazon を同業として見做す記事を見るが、大間違いだと分かる。楽天は情弱企業の販売代行ポータルでしかない。Amazon の一部が競合しているだけだ。自社でブラウザを開発し、エコシステムに組み入れる能力はない。

 また、ハードウェア主体のエコシステムという点で Apple も有名ではあるが、ユーザ情報を商売に結びつけるという領域では Amazon や Google の後塵を拝しているのではないだろうか。Amazon の持つ購買履歴情報は多岐にわたるが、iTunes store のそれはコンテンツ販売と Apple 関連製品に限定されている。

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