Inkscape で見取り図を作成

 Inkscape で工場の見取り図を描こうとした。今後のテンプレートとして使えるよう正確な図面をレイヤーで管理できるデジタルデータにしたかったから。

 今まで使っていたのは、自分が固定資産の担当になった時に他部署からもらったExcelのワークシートにドローツルで描いたものだった。しかし、Excelドローツールは重ねてオブジェクトを乗せると編集が一気に面倒になるという致命的な弱点がある。元々そんな用途のために設計されていないので欠点というのは酷かもしれないが。

 工場の図面ならCADソフトがベストだ。自分はAutoCADを使えるのでこれがあればそれこそミリ単位の精密な図面に落としこむことも可能だ。しかし、当然ながら経理にAutoCADはないし、買ってくれとも言えない。そこで、Inkscape で描いたのだった。会社のPCは画面が小さくて苦労したが、一番苦労したのはソフトの操作の習得やPC環境の非力さではなかった。

 「ここの建物、はみでてたか?」

 工場からもらった資料は部署ごとに矛盾していた。そして、全部を精密に描いた設計図は存在しない。その工場は竣工して40年近く経っていて、増設につぐ増設でラインを増やしてきた。なので、全てを描いた図面というものがない。建設の設計図はその時に作る建物については正確に描かれているが、既存の建物については制度の低い略図でしかない。もちろん、いつ作るかわからない将来の建物の予想も存在しない。更に、最も古いものはそんな図面すらない。手元に合ったのは直近の工事のものでごく一部でしかない。自分が勤務しているところなら、半日くらいかけて疑問点を解消してくればいいが、出張してまでとなると難しい。

 そんな時に、Google の衛生写真を使うことを思いついた。田舎なので、都会のような解像度の写真はないが、大きな建屋や敷地の位置関係位は十分にわかる。地図の状態でダウンロード出来ないので、画面に表示される範囲をキャプチャーして貼りあわせなければならなかった。社給PCだと6枚のキャプチャが必要だった。そして、それらをExcel上で並べてトリミングし回転し下絵にした。ところが、そのとき変なズレに気づいた。工場途中で写真がずれていたのだ。距離にして3〜5mくらい。衛生で撮っていく時に写真の境目にあたったために周回のときに発生した誤差によるのだろう。こんどは、その部分で切ってずらして矛盾のない絵にしなければならなかった。この作業に一番時間がかかった。

 しかも、Googleの衛星写真は古く6年くらい前の増設以降のラインが全くない。その付近についてはトレースできないので、手持ちの設計図から勘縮尺を駆使してでっち上げた。

 さらに、衛星写真で描いた基本図形に工場からもらった図面に記載されていた施設を描くのだが、ここにも矛盾があって悩んだ。かなり縮小した図面なので、画面上は重なったところでも実際に行ったら10センチや20センチの配管を埋設することは可能なのだろう。が、それを実縮尺で描いたら見えなくなるし・・・

 今、自分の机にはサーバに使っているノートPCと社給PCがあり、さらに Inkscape の解説ページを表示するために iPad 3 を立てている。経理部の人間のつくじゃない。図面も散らばってるしwww

 とにかく、14時までにほぼ完成にこぎつけた。細かいことを追求するときりがないし、元の形と違っているかもしれないので、現時点ではあまり手を掛けたくない。正確な形状が分かったらまとめて修正し細部を煮詰める。

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