コダックが経営破綻、破産法11条による事業再編を申請 — Engadget Japanese

 あのコダックが破綻とは。中学生の時にお年玉を貯めて一眼レフカメラを買った。pentax KX という機種で今で言うマニュアル銀塩一眼レフカメラだ。中央重点測光の露出計は付いていたが操作はすべて自分の手だった。その頃、写真雑誌の写真の説明にはカメラやレンズだけでなくフイルムの種類が記載されていて、大半が Kodachrome だった。しかし、使っていたのはフジかコニカのデイライト用ネガフィルムASA100だった。

 全く話は関係ないが、Kodachrome という Paul Simon のシングルレコードを持っていた。今でも口ずさめる数少ない曲だ。自分の写真好きの気分と一緒だと感じる。Kodachrome(ナイコンと聞こえるのはNIKONね)。

コダックが経営破綻、破産法11条による事業再編を申請 — Engadget Japanese.

米イーストマン・コダックが連邦破産法第11条、いわゆるチャプター11の適用を申請しました。世に言う経営破綻ですが、日本の民事再生にあたり、会社が消えてなくなるわけではありません。長期に渡って経営不振が続いていたコダックは、年初からは1ドル未満での株取引が続いており、上場廃止の観測もありましたので、結局こうなったという感じです。

フィルムの代名詞として一時代を築いたコダックが経営破綻に陥った背景として、デジタルカメラの普及とフィルムカメラ離れを挙げるのは簡単です。しかし、たとえばフィルムで長年のライバルだった富士がデジカメでも一定の存在感を示し、最近は技術を生かして化粧品などにまで手を広げているのを見ると、けっきょくコダックの経営がまずかった、選択と集中を進める中で間違ったほうに集中してしまった、としか言いようがありません。世界初のデジカメを開発したのが他ならぬコダックというのは皮肉なところ。古い市場での地位にこだわり新しい市場に乗り遅れるという、イノベーションのジレンマを示した格好の例として額に入れて飾るべきでしょうか。

 フイルムという市場でガリバーと言っていい存在だったが、フイルムカメラというプラットフォーム自体が消滅することで消えた。フイルム市場でマイナーであった企業はデジタルへの移行によって生き残っている。このへんについては別の機会に。

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